感じるか見るか 

 皆さんは、何かを覚えるときどうやって覚えますか。
 ①声に出して覚える。
 ②自分なりにまとめて文章にして覚える。
 ③とにかく試してみたり、何度も字を書いて覚える。
 ④紙に図解を描いて色分けしたりして覚える。

 今回は、人が学習する際に、どんな感覚を使って進めたら効果的かということについて、一つの考え方をご紹介します。


 ところで、以前こんなことがありました。私が千葉に住んでいたころ、その地のスポーツクラブのスタジオプログラムでストリートダンスのクラスに入ったときのことです。インストラクターが曲に合わせてフリを教えてくれるのですが、それが1小節ずつ小刻みに進めていくのです。1時間たって8
小節くらい進んだでしょうか、その日はそれで終わりで、次は来週ということでした。

 そのとき私は、とても大きなフラストレーションを感じたのです。全体がどのような動きのダンスなのか、そしてヘタッピな私たちではなく、インストラクターが全体を通して踊るとどのようにカッコいいのか、どんな雰囲気なのか、それが知りたくてたまらなかったのです。全体はこんな感じのダンスで、今ここをやっている、そしてその雰囲気はこのようなもの・・・といったことがわからないと、霧の中を手を曳かれて進んでいるようで、なにか居心地が悪かったのです。

 ですからそのクラスが終わってからインストラクターに、全体を通してまずインストラクターが踊って手本を見せてほしい、そうでないとイメージが沸かないと伝えました。私としては、もっともと思われる理由があるので、快諾してもらえると思っていたところ、彼は「それはできません。私が先に踊ると、みなそれに引きずられて個性がでないのです。」と答えました。自分たちはまだ初心者なのに個性もなにもないよなあ、と思いながらもそれ以上は要求しませんでした。

 そして、つぎに北九州に引っ越して、別のスポーツクラブに入ってストリートダンス系のクラスに入ったところ、やはりクラスの進め方は上と同じでした。ふーん、ダンスする人たちはこのように進めるのだろうなと、それがしきたりなのだろうとあきらめたのです。

 さて、その後コーチングの勉強を進める中で、ああ、そうなのかと思い当ることがありました。それは「学習スタイルにおける優位感覚」というものです。それは4つに分けられるのです。冒頭のものごとの覚え方の例がその4つにあたり、それぞれ
 ①聴覚系
 ②言語感覚系
 ③触覚系
 ④視覚系

の説明になっています。

 私は、バリバリの視覚系なので、目に見える形にすることを好みます。
 ・人の話はよくメモをとる
 ・全体像を図形で示したり、一覧できる形にまとめる
 ・表現にグラフや図形を多用する
 ・イメージという言葉をよく使う

これが視覚系の特徴です。なので、ストリートダンスのクラスの時に、全体像やイメージが欲しかったのです。

 一方、ダンスをする人は、ダンスというものの特性上、触覚系が多いのではないでしょうか。触覚系は
 ・自分の感覚が第一
 ・とにかく体を動かす、感じて覚える
 ・理屈や説明は後回し

という特徴を持ちます。ダンスをする人たちが全部触覚系はないとしても、多くを占めているとしたら、ダンス界の教え方は、まず一つずつやってみるという形になったのではないでしょうか。あくまで仮説ですが、妙に納得がいきました。

 人の優位感覚はそれぞれなのです。そのときは、まずやってみるというやり方になかなかなじめませんでしたが、今は理解できます。一方人の優位感覚はさまざまであり、相手の優位感覚にあわせた接し方が望ましいという認識がもっと広まればいいと考えている次第です。こんなことは学校では習わないのですよね。


 長くなりましたので今回はこの辺にしますが、次回はピアノの先生で、生徒の子供さんの優位感覚にあわせて効果的に教えていらっしゃる方の例をご紹介します。
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by atanabe-coach | 2009-11-23 23:58
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