Sample Lab 新業態ビジネス

f0142717_1324526.jpg
 本日は土曜日です。土日はブログをお休みしようと思っておりましたが、ふと見た今朝のTV番組で、東京に新しい業態のビジネスが紹介されていました。いてもたってもおられずに書いてしまいました。

 この店の名前は「Sample Lab」といいます。ここでは各メーカーのいろんな無料サンプルをとり揃えており、客はそれを自由にもらえるというのです。入会金は300円、年会費1000円で、1回に5個までの無料サンプルをもらえる、その代わりに商品に関するアンケートに答える義務があります。これにより出品企業は商品や販売方法に関するフィードバック情報を得られることになります。サンプルは常に新しいものに入れ替えているのは当然としても、これらの無料サンプル品の他、新商品の展示や通販品のサンプルも置いており、来客者が試用することができるということです。また、パウダールームも備えており、新しい化粧品でちょっとしたメークもできるのです。

 この会社がどのようにして儲かるかを考えて見ましょう。まず収益源ですが、会員からの
会費ではとても運営費用をまかなえないでしょう。これはひやかしの会員が増えないためと、会員の帰属意識醸成のためのしかけでしょう。よって収益源はサンプル提供企業から得ているものがほとんどと思われます。
<収益>
 ・企業登録するための初期費用
 ・出品1アイテムあたりの基本出品料金
 ・アンケート情報提供件数比例報酬
などが考えられます。
 次に費用ですが、商品仕入費用というものが基本的には発生しません。つまり変動費ゼロに近く、限界利益率≒100%、これはすばらしい。費用はほとんど固定費で、
<費用>
 ・店舗テナント費用
 ・労務費(+労務付帯費)
 ・販売促進費
 ・広告宣伝費
 ・店舗運営光熱費
 ・什器備品の償却費
 ・情報システムの償却費
 くらいでしょう。

 ビジネスモデル自体や、店舗名の知名度が上がり、認知されるにつれて来客数や増え、出品企業数も増えますので、販促費、広告宣伝費は大変重要です。現時点では珍しいビジネスモデルなので、TVや新聞のメディアが無料で取り上げてくれる(これをパブリシティといいます)ので、これにより費用をかけずに認知度を上げることができます。これはたいへん有利です。

 上記の固定費が収益と等しくなる、いわゆる損益分岐点をひとたび越えると、変動費がほぼセロであることから、超えた分の収益はほとんど営業利益になり、どんどん儲かるという現象が発生します。反面損益分岐点を下回ると営業損失も大きく増えますが、分岐点そのものはあまり高くなさそうです。他社が参入する前に会員ネットワークの拡大、参加企業の増加、企業ブランドの確立をいかに充実できるかが今の課題です。また増設店舗の立地は非常に重要です。
 逆に、2番手戦略としては、この企業がビジネスモデルの認知度を十分に上げたころあいを見計らって参入することがポイントです。早すぎても遅すぎてもいけません。まだまだめずらいしいビジネスであるだけに、それこそ他人のふんどして相撲が取れます。ビジネスモデル特許への抵触にはよく注意して、それをかわしながら、ちょっとした差別化を行うといいと思います。

 さて、この企業の今後の姿としては、組織化した会員ネットワークを使って、
 ・サンプル品を気に入った客に対して、その商品のインターネット販売
 ・新商品開発におけるマーケティングコンサルテーションサービスの提供
 ・商品口コミ情報提供サイトを運営し、企業広告・商品広告スペースの提供
という方向が考えられます。
 また、競合しない海外市場において外国企業へビジネスモデル特許の使用許諾を行い、ロイヤルティ収入を得る道もあります。
 
 それにしても、よくこのようなビジネスモデルを考え付いたものです。久々に脱帽いたしました。今後の成長を見守りたいと思います。
[PR]
by atanabe-coach | 2007-06-23 13:17
←menu