自責で考えるということ1

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 企業コンサルティングでは、経営上や販売・製造現場での問題や課題が当然でてきます。現在の悪さを調べ、その原因を追究し、改善していくというプロセスが「問題解決」、将来のありたい姿を考え、それを現状とのギャップを明らかにし、ありたい姿に近づくプロセスが「課題解決」といったりもします。どちらも現在の姿を把握しなければなりませんが、現在の姿とは自社の業績や事業環境なども当然入ります。そのようなときに、業績が悪いのは景気が悪いからだ、お客様の志向が変わってきたからだ、ことしは暖冬だからだなど、事業環境の悪さに原因をもとめたりする経営者がいたり、親企業が発注品目と納期を突然変更してそれに対応できなかったからだ、社内他部門からの情報が伝わっていなかったなど、顧客や社内の他部門に原因を求める風土の企業があったりすることがあります。

 このようなときコンサルタントは自責で考えましょうと言います。これは外部に原因を求めても、なにも対策できない、それよりも自分たちの不足するところを捉え、それに対して何ができるかを考えることが重要だからです。

 トヨタ(2006年度はグループで23兆円を売上げ、1兆6000億円の純利益をあげたそうです、なんと桁外れでしょうか・・・あっ、本日テーマには無関係でした)では問題点の原因を追究するのに「なぜ」を5回問うというのは有名な話です。「それはなぜか」、「更にそれはなぜか」、・・・と聞いていきますので、3回も問えば行き詰まってしまい、その後を答えるのが難しくなってきます。以前私はこの方法を試してみようと思ったものの、5回も答えることができずに、最後は言葉遊びになってしまったという体験があります。この体験から、「なぜ5回」の意味は、次の2つの意味で理解し、5回という回数そのものにはこだわらなくてよいように思うようにしました。
①追求が浅いと表面的な対策にとどまってしまうし、他に同根の他の問題まで広がらないので、もっと奥深い理由まで考えよ。
②他責にせずに、自責で捉えて考えよ。すなわち外部ではなくて、自社・自部門の施策や行動に問題はなかったのかと問え。
 
 コンサルティングの世界では、自責で考えようというのは、結構決まり文句になっていると思います。それが視点を変え、あらたな方向を示すヒントを与えてくれることにもつながるからです。相手が悪い、環境が悪いと嘆いても何も変わらないのですから、自分を変えるしかないのです。 とはいうものの人間は、今やっていることを振返って自責で考えようとはなかなかしないものです。自責で考えることのできる社風を作ることが、その企業が成功する要素の一つであると思います。
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by atanabe-coach | 2007-06-25 00:24
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