PL志向とBS志向

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 ビジネスパーソンであればPLとBSという言葉は耳にタコができるくらい聞いていると思います。企業の経営状況を表わす代表的な2大財務諸表ですが、念のためにおさらいしますと次のようになります。

PL(Plofit & Loss Statement、損益計算書):経営成績を把握するため、一定期間でどれだけ儲けたかを表わしたもの。簡単に言うとどれだけの売上げがあり、どれほどの費用がかかり、結果としてどれほどの利益を生み出したかを数字で示したものです。

BS(Balance Sheet、貸借対照表):財務状態を把握するため、一定時点でどれだけ財産があるかを表わしたもの。簡単に言うと、資本(企業活動を行うためのお金)の源泉がなにで(つまり、自分あるいは株主のお金か、借り入れたお金か、掛けで仕入れてまだ支払っていないお金か)、その資本をどのような形にして運用しているか(つまりお金が、建物や設備などの固定資産に変わったか、商品などの在庫に変わったか、売り上げたのにまだ回収していない債権に変わったのか、あるいは現金で持っているかなど)を示したものです。


またこれらの中に出てくる項目の数値を使って、収益性や流動性に関する様々な経営指標を計算することができます。

 このように重要な2大財務諸表ですが、ともすれば企業経営の現場では、PLばかりを議論しがちです。いくら売り上げていくら儲けたということですから、短期の企業業績としてはこちらに注目したくなります。一方BSの方は、所有する資本がどのようなバランスで配されているかということが評価のポイントになります。健全な企業としての適正バランスというものがあり、これを整えていくことが強い企業の実現につながります。したがって、こちらは中期長期の視点で重視するものといえます。中期長期の視点であるがゆえに、PLに比べて注目される程度が低いように感じられるのです。

 さて、財務諸表を人に当てはめてみるとどうでしょうか。

PLでは今年どれほどの収入を得て、どれほどの支出があり、お金がいくらたまったとか、仕事でどれほどの業績を上げたとか、何かを買った(消費したとか)、何を食べたとか、どこどこに旅行にいったとかいう行為が当たると思います。
一方BSを考えてみると、お金をどんな形(預貯金、有価証券、不動産など)で運用しているか、どんな経験を積んで自分の人生が広がったか、どんな自己研鑽をして能力が上がったか、などが思い当たります。


つまりPLは今を楽しむ、BSは将来の自分を豊かにするという発想になると思います。こう考えると、BSもしっかり充実させておかないと将来後悔しそうです。

 企業活動、個人の生活のどちらにおいても、短期のPL志向だけでなく、中長期のBS志向の眼も忘れないでおきたいものです。


<写真は、ダイビングボートより見たパプアの海の夕焼け。船影一つ見えない海原の向こうに雲が見えることでホッとします。何も見えないとちょっと怖い。>
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by atanabe-coach | 2007-10-17 00:35
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