目標を疑え
コーチングのセッションでは、標準的な流れがあってコーチはそれを参考にしながらコーチングを進めていきます。それによると、最初の「セットアップ」といういわば準備段階のあとに、「ゴールセッティング」という段階があり、ここで目標を設定します。まずクライアントにテーマを聞いて、そのテーマの目標を決めるわけです。
ここでよく言われることは、最初に出てきたテーマや目標をそのまま鵜呑みにしてコーチングを進めてはいけないということです。たとえば、テーマが「自分のビジネス用のホームページを持つ」であれば、ゴールは「いついつまでに、どんなホームページを、どのように開設する」などがゴールになります。これをそのまま鵜呑みにしてはいけないということです。
えっ、どういうこと?
つまり、その目標のまだ奥にあるものは何かを考えようということなのです。
よくわからないよ。
上の例でいうと、なぜそのクライアントがホームページを持ちたがっているのか、目的や狙いはなんなのか、これを深堀しなさいということなのです。
どうして?
なぜかというと、そこをなおざりにしていくと、本当に欲するものにたどり着かないことになったり、たどり着くにしてもセッションに時間がかかってしまうことになるのです。それにその奥にあるものを、クライアントご本人も気がついていないこともあるのです。
ほんと?
クライアントも漠然とホームページを持ちたいと思っているのではないでしょうが、では具体的にそれをなんの目的で作るのか、どう活用するのかこのあたりを良く考えていないことが多いのです。したがって、表面に現れたテーマや目標から具体論に入っていく前に、その上流にさかのぼるというプロセスを入れたほうが、回り道のようで効率的であるということになります。ここから気づきがあり、実はやりたいことが他にあったということだってありえるのです。ホームページを持ちたいといっていたが、実は集客が目的で、それにはもっと先にやっておくべきこと、たとえば何を売り物にするのかがはっきりしていなかったとかです。
あるコーチは、クライアントが何かをやりたいといってきたら、そのモチベーションがどこから沸いてくるのかを確かめたいといっていましたが、これは上記と同じようなことを言っているのだと思います。
皆さんも、ご自分が何かやりたいと思った時に、ちょっとその上流への心の探索をやってみることをお勧めします。
<写真は、岩礁の中からこちらを見るドクウツボ @パプア インドネシア>
by atanabe-coach
| 2007-11-07 00:25