上司がんばれ 部下と向きあうコミュニケーションのヒント 第20回:部下を叱る上での注意

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 現在の上司はプレイングマネージャーが多いと思います。短期的業績目標達成を求められる状況の中で、部下の育成という観点での行動が抜けていたりまたそれ自体に気がついていない上司も方もおられるように見えます。部下を育て、頼もしい人材にするために、上司に求められる行動要件をまとめてみました。連載でお送りします。
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第20回:部下を叱る上での注意

 筆者は、部下とのコミュニケーションでは承認と褒めを基本的な態度と考えており、叱ることは最小限にすべきと考えています。

 部下が失敗した時、間違った方法を取った時、ミスをしたとき、これは部下がその失敗から学習して、一段高いレベルに上がれるチャンスです。それが最初のつまづきなら、叱ることは必要ありません。それから学んでくれればいいのです。それが2度3度と重なったり、あるいはここはしっかりやるようなキモがあらかじめ分かっていたのにはずしてしまった時などはやはり叱ることになります。

 叱る場合には、以下のようなことを意識しましょう。まず機会をとらえてその場で叱る。時間がたてばたつほど叱られることの実感が伴わなくなります。もちろん他の人の前でということは避けなければなりません。あくまで1対1で人の目に触れないところで叱ります。

 つぎに部下の改善やレベルアップが目的であることを十分に認識することです。叱ることは上司の気持ちを静めるためにやるのではありません。一番落ち込んでいるのは部下なのですから、これにあまり追い討ちをかけることは感心しません。

 そして部下にも十分気持ちを話させることです。これは部下がその経験から学ぶためにも必須のことです。事情や理由もあったでしょう。しかしそれを今後どう生かすかという話につなげることが肝心です。そのためにも頭の中にあることを話しつくして一旦頭を空にしないと、経験からの学習や上司のアドバイスが頭に入ってきません。失敗の理由を聞くときには、Why(なぜ)と聞くと、問い詰めているように感じられますので、What(なに)が足りなかったのか、What(なに)が障害になったのかと聞きましょう。その上で、今後How(どうすれば)同じ失敗を繰り返さずに済むだろうかと問いかけましょう。

 一通り聞いたら、上司から話します。部下の話に対していろいろと言いたかったことがあったと思いますので、これらも加えながら、上司の考えを冷静に筋道たって説明します。部下の話と相反することがあれば、その理由も説明します。部下に間違ったところがあればしっかり指摘しなければなりません。特に強調すべきところは強く言う必要もあるでしょう。また上司が悲しかったところ、会社が損をこうむった事実もしっかり伝えることが重要です。そして時々、分かっているかも聞いて確認したり、意見はあるかを聞いたりします。部下は自分の考えを話し、上司がしっかり聞いてくれた後なので、素直に上司の言葉が入って来るものです。

 そして最後に、部下に合意事項にむけて努力し行動する宣言をしてもらい、上司はそれを期待し見守るという宣言で終了しましょう。

 冷静に部下のために戦略性をもって叱るという心がけが必要です。

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<写真、向こうに見えるのはサンゴが隆起してできた島です。そのような島は周囲を波で侵食されてえぐられます。向こうに見える木のようなものも、実は周囲が大変小さな島なのです。細い部分の直径は1mくらいしかありません。筆者はこれをけり倒したくなりました。ナブコ@インドネシア>
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by atanabe-coach | 2007-12-26 00:49
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