上司がんばれ 部下と向きあうコミュニケーションのヒント 第22回:行動レベルを叱ろう

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 現在の上司はプレイングマネージャーが多いと思います。短期的業績目標達成を求められる状況の中で、部下の育成という観点での行動が抜けていたりまたそれ自体に気がついていない上司も方もおられるように見えます。部下を育て、頼もしい人材にするために、上司に求められる行動要件をまとめてみました。連載でお送りします。

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第22回:行動レベルを叱ろう

 怒るいくつかの事例を挙げました。その中で、「部下の人格、性格、習慣までを批判する人」というのがありました。これは怒り方の中でも最悪のものといえます。そこで今日は、なぜこの事例がいけないかと、どうするのがいいのかを見て生きます。

 1970年代にアメリカで生まれた「NLP(neuro-linguistic programming)神経言語プログラミング」は、言語が人間にどのような影響を与えるかから出発した、心理学と言語学をもとに体系化した人間のコミュニケーションに関する新しい学問です。このNLPによると、人間の意識は次の5つのレベルに分けられ、それが階層をなしているといいます。最下層は「環境」レベルで、その上を順に示すと「行動」レベル、「能力」レベル、「信念・価値観」レベル、「アイデンティティ」レベルとなっています。これをニューロロジカルレベルと称しています。このレベルは最下層が自分の一番外側で、レベルが上がるにしたがって自分の内側に近づいてきて、最上層が自分の存在自身を示しています。

 これらのレベルに合わせて褒めていくことを考えます。
 ・環境・・・君の仕事の環境は大変いいね。
 ・行動・・・君のその仕事でとった行動は良かったね。
 ・能力・・・君がその仕事で見せている能力はたいしたものだね。
 ・信念・価値・・・君が仕事にあたる信念はすばらしいね。
 ・アイデンティティ・・・君はこの仕事になくてはならないすばらしい人だね。

 どれも褒め言葉で嬉しいでしょうが、どれがもっとも嬉しいでしょうか。やはり階層が上がるにしたがって、自分自身を褒められているという感じがしてくると思います。褒める時は極力上位のレベルを褒めましょう。

 次に、逆にそれぞれのレベルを叱るもしくは怒ってみましょう。
 ・環境・・・君の仕事の環境はなってないね。
 ・行動・・・君のその行動がトラブルの種だったね。
 ・能力・・・君が仕事で見せている能力は物足りないよ。
 ・信念・価値・・・君が仕事に向けている考え方はちょっとおかしくないか。
 ・アイデンティティ・・・君はこの仕事には向かないね、役に立たないよ。

やさしい言葉で表現しましたが、レベルが上がるにしたがって、心にぐさっと来る言葉になっていますね。怒ることにより相手を打ちのめすのであれば、より上位のレベルを捉えて怒れば効果てき面です。「おまえは無能だ」とか、「役立たずだ」とか、「お前は馬鹿か」とか、「もう要らない」とか言えば、相手は心がずたずたにされて立ち直れないかもしれません。これを根性なしと非難するのは当たりません。これを乗り越えてこそできる人間になるんだという人は、ではなぜこのようなレベルで怒るのでしょうか。その狙いは、その目的は何なのでしょう? このレベルを怒る必要性は全く感じません。効用があるとすると、怒る方の気が晴れるということくらいでしょうか。

 部下を叱る目的はあくまで部下が改善してくれることなのではないでしょうか。それであれば部下がこころから反省し、改善の行動を自発的にとるように叱らなければ意味はありません。それには、「行動」や「能力」レベルを叱ることです。そしてただ悪かったところを非難するのではなく、「何が悪かったんだ」、「どのようにすればよかったんだ」と聞くことも行ってください。すると部下は「何が悪かったのだろう」、「どうすればよかったのだろう」と考えます。そしてさらに「次はどうするんだ」、「今回の失敗から何を学んだんだ」と聞きますと、次への行動につなげることができるでしょう。

 叱る時は、行動または能力レベルを叱ります。

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<写真、昨日の島にもう一キック トェーイ。足が曲がっとる! ナブコ@インドネシア>
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by atanabe-coach | 2007-12-28 01:28
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