上司がんばれ 部下と向きあうコミュニケーションのヒント 第23回:部下に質問しよう


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 現在の上司はプレイングマネージャーが多いと思います。短期的業績目標達成を求められる状況の中で、部下の育成という観点での行動が抜けていたりまたそれ自体に気がついていない上司も方もおられるように見えます。部下を育て、頼もしい人材にするために、上司に求められる行動要件をまとめてみました。連載でお送りします。
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第23回:部下に質問しよう

 質問というものは、普通質問を発する方が知らないことを相手に聞くためになされます。しかしもう一つの目的をもつ質問があることは多くの人に認知されていません。それは、質問を発する方の知識の有無に関わらず、質問を受けた相手に考えさせるためのものをいいます。大変簡単な例はクイズやなぞなぞがこのような仲間になると考えられます。こう考えるとよく分かると思います。

 さて、会話の中に質問を挟みこむ目的は次のようなものです。
①問題をはっきりさせる
②気づきやひらめきを促す
③知識やスキルを棚卸しさせる


 第13回の「上司がんばれ」で、人が話すうちに自分の考えが整理されたり、話しながら自分で新たに気づいたりすることが起こり、また人は一度言葉に出して自分から外に発信しないと自分の考えが認識できないことがある、と述べました。この過程を加速し、より効果的にするものが質問なのです。

 具体的には、相手の話をうなずき、あいづち、繰り返し、要約などを交えて聞きながら、ときどき相手に質問を返してあげると、相手は考えて答えを返してきます。このときに相手の頭の中で、問題の整理や気づきなどがより明確になされるというわけなのです。

 したがって、質問のタイミングとその内容がすこぶる大切になります。つまり、こちらが聞いていて、「あれこの部分については考えが落ちているのではないか」とか、「それはわかったけど、どうするつもりなのか」とか、「結局それは具体的にいうとどういうことなのか」とか、「でもちがう考え方もありそうだな」など疑問に思った事を、タイミングを見計らって、聞き方を工夫して聞く必要があります。

まずタイミングは、相手が一つの話をし終わるまでは遮らずに待ちます。途中で遮ると相手のほうに未完了な感覚が残り、質問をよく聞くことができないことが起ります。

次に聞き方は、「ここが抜けているのではないか」とか「それは違うのではないか」などダイレクトには聞かないようにします。あるいは「ここは抜けているよ。」とか「それは違うよ。」と断定も避けます。あくまで相手に考えさせるのが目的ですから、相手が受け入れやすく、考えやすい表現を工夫するのです。つまり「そこは分かったけど、この部分についてはどう考えているの。」とか「そうしたのですね。でその後はどうしたいの。」とか「それは具体的にいうとどんなものなの。」とか「なるほどその見方もあるね。その他の見方はできないかな。」など。決して詰問や尋問にならないようにします。

 部下との会話において、このようなことに配慮して質問をはさんでいくと、部下の気づきもぐっと加速されます。部下が自分で気づいた事は、上司から言われた事にくらべてはるかに理解度が深く、また行動につながる可能性が高まります。

 傾聴の効果を質問が更に高めます。

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写真は以下のサイトより引用させていただきました。
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by atanabe-coach | 2008-01-07 00:30
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