上司がんばれ 部下と向きあうコミュニケーションのヒント 第25回:詳しく、大きく、その他にないか聞く

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 現在の上司はプレイングマネージャーが多いと思います。短期的業績目標達成を求められる状況の中で、部下の育成という観点での行動が抜けていたりまたそれ自体に気がついていない上司も方もおられるように見えます。部下を育て、頼もしい人材にするために、上司に求められる行動要件をまとめてみました。連載でお送りします。
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第25回:詳しく、大きく、その他にないか聞く

 本日ももう少し質問のスキルについてみてみましょう。

 こちらの質問に対して相手が答えてきたとします。そしてあなたは、その答えはちょっと漠然としているな、もう少し具体化する必要があるのではと感じたとしましょう。そんなときは、具体的にはどうなのか、を聞いてみましょう。これをチャンクダウンといいます。なお、チャンクとは、物事のカタマリというような意味です。大きな意味をもつものがビッグチャンク、より具体的なこまかい意味を持つものがスモールチャンクです。

 「それは具体的にはどんなことですか。」
 「それを詳しくいうとどうなりますか。」
 「それを達成するには、何をやればいいのですか。」


 この質問を受け取った相手は、より深く詳細を考えます。その具体案は初めから相手がもっていた考えの場合もありますが、多くはその質問をされて初めて考え出すことも多いのです。つまり、最初に出た答えが、その人が強く思っていたことで、そのレベルまでは考えていたが、それより細かくは考えていなかった、ということも多いのです。したがって、それより深く聞いてあげることにより、相手の思考が深まってより具体的に考えるようになります。より具体的なイメージがわくことにより、行動に結びつくアイデアが得やすくなります。


 逆に、相手の答えが細かいことはいいのだけれど、もっと広く捉えてもらいたいと感じた場合は、その上位概念や目的を聞いてあげましょう。これをチャンクアップといいます。

 「一言でいうとどういうことですか。」
 「そのことの目的はなにになりますか。」
 「結局なんのためにやるのでしょうか。」
 「それは結局どういうことですか。」


 この質問によって相手は、より視野が広がり、あるいは原点である目的に立ち返ることにより、より大きな視点を持つことができるようになります。その結果あらたなアイデアを出すことができたり、今のやっていることをより目的に沿った方法に改善する動機を得ることができます。


 最後に、相手が答えたこと以外に、他にも考え方がありそうだとか、もっと広く考えてもらいたいと感じた場合は、他にはないのかと聞いてあげましょう。これをスライドアウトといいます。

 「他になにか方法は考えられますか。」
 「他にありますか。」
 「他にないか、もっと考えていただけますか。」


 この質問はシンプルではありますが、答えが1つや2つはすぐに出てきても、その後がなかなか答えられないということがよく見られます。質問を受けた相手は、一度上位概念や目的に立ち返った上で、現在のレベルに再びおろして考える必要があるので時間がかかるのです。しかし、そこが大切なので、すぐに見つかる答えの、その後の答えを待ちましょう。


 さて、どんな質問もそうですが、相手が答えに窮して沈黙しても、その間に頭の中でいろいろと考える過程が大切です。その過程で新たな気づきを得ることができるのです。この間はじっと待ちましょう。その間の沈黙も立派な質問のスキルです。結局相手が解にたどり着けずに、あなたが何らかのアドバイスをする状況になったとしても、沈黙の後にそれを行えば、アドバイスの効果は大変大きなものになります。


 何かを質問して答えを聞いたら、状況に応じて、チャンクダウンチャンクアップスライドアウトを組み合わせてさらに聞いてあげると、相手の考えをいろいろと引き出すことができます。そしてその間に発生する沈黙も重要な過程なのです。これらのスキルを活用すれば、部下のアクションプランに結びつく考えを比較的容易に引き出すことが可能になります。

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写真は以下のサイトより引用させていただきました。
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by atanabe-coach | 2008-01-11 00:51
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