上司がんばれ 部下と向きあうコミュニケーションのヒント 第27回:なぜ質問がパワーをもつのか

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 現在の上司はプレイングマネージャーが多いと思います。短期的業績目標達成を求められる状況の中で、部下の育成という観点での行動が抜けていたりまたそれ自体に気がついていない上司も方もおられるように見えます。部下を育て、頼もしい人材にするために、上司に求められる行動要件をまとめてみました。連載でお送りします。
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第27回:なぜ質問がパワーをもつのか

 4回にわたって質問について見てきましたが、なぜ質問がこのように力を持つのでしょう。今日はこの点を少し考えて見ましょう。

 まず質問は、それまで被質問者が考えていなかったことを問いかけることにより、被質問者の心に空白を作り出します。人間の脳は、空白があるとどうしてもそこを埋めようとするといわれています。つまり空白が埋まらないと、その答えを探そうという意識が働くのです。このとき潜在意識も総動員されて、その答えが何なのかを探すのです。たとえばあることを知りたいと思っていると、それに関することが、あるときふとひらめいたり、また普段は気がつかない広告や記事などが目に飛び込んできたりする経験はお持ちだと思います。答えがわからないほど、その答えを知りたい知りたいと思うのは人間の性といえます。その意味から言えば、質問はすぐには答えが見つからないくらいに難しいほうが、被質問者の意識にしっかり上るということになります。たとえば
 「その経験からあなたは何を得ることができましたか。」
 「それはつまり何のためにやっていることなのですか。」

など、こう聞かれればどうしても考えざるを得ないと思いませんか。いくら表面的に拒否しても、心に引っかかってその答えを探すはずです。

 次に質問は、その仕方によって被質問者の考え方、視点の持ち方と異なる考え方、視点を提供します。これをリフレーミングといいます。そしてそれは聞き方次第で起こります。
 「その失敗は残念だったですね。しかしその経験をしたからこそ学べたことはなんだろうか。」
 「先方のやり方がルール無視で憤慨しているようだけど、その前になぜ先方はそういう行動に出てしまったのだろうか。先方からこちらはどう見えていたのだろう。」

など、こう聞かれると、否が応でもその視点から考えて見ますよね。

 つまり質問は、被質問者が考え付かないあるいは考えたくない視点からの空白までをも埋めようとすることを引き起こすのです。そして被質問者が自分で答えを探しますので、外から他人が「こうでじゃないの」と意見するよりずっと得心が行くという結果をもたらします。

 相手の視点は適切か、もっとプラスに見る視点はないのか、その視点を提供し相手の心に空白を作り出すパワーを質問は持っています。またそういう点から発想すれば、有効な質問が作り出せます。

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写真は以下のサイトより引用させていただきました。
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by atanabe-coach | 2008-01-17 01:23
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