上司がんばれ 部下と向きあうコミュニケーションのヒント 第40回:部下のビジョンを引き出そう

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 現在の上司はプレイングマネージャーが多いと思います。短期的業績目標達成を求められる状況の中で、部下の育成という観点での行動が抜けていたりまたそれ自体に気がついていない上司も方もおられるように見えます。部下を育て、頼もしい人材にするために、上司に求められる行動要件をまとめてみました。連載でお送りします。

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 3月になりました。このあいだ2008年になったと思ったのですが、早いものです。筆者の住む千葉では昨日、今日と暖かい日が続きます。今日は、以前筆者がインドネシアに赴任していた時のダイビングの師匠、奥様にダイビング仲間と再会します。春っぽい日差しに、筆者の心もウキウキです。では、3月最初の記事をお送りします。
 
第40回:部下のビジョンを引き出そう

 前回は、部下個人にもビジョンとミッションを制定してもらうことが企業、組織、個人の目標達成の上で望ましいと述べましたが、残念ながらここまで上司と部下で対話している例はあまり聞きません。上司にはそこまでの余裕がないものと思われます。

 では、どうしたらいいのででしょうか。部下にあらたまって、「君のビジョンはなに」といきなり聞いても戸惑うばかりでしょう。またビジョンをを普段から考えている人というのは多くはないでしょう。したがって上司には面談の中や普段の会話の中で部下から引き出してあげる態度が望まれます。普段の会話の中でも会話を通じて、部下のビジョンを考えさせる態度を意識してもらうことを工夫できると考えます。以下はその例です。傾聴と質問というコーチングスキルを活用し、部下の気づきを引き出しています。

上司:今度のXプロジェクトのメンバーになってもらおうと考えているのだけど、このプロジェクトについてきちんと説明しておこう。
部下:ハイおねがいします。
上司:このブロジェクトは、○○○○(目的・目標、事業における位置づけ、メンバー案、スケジュールなど)なんだよ。その中で君にはこの部分をやってもらいたいんだ。このプロジェクトの持つ意味はこのように重要だし、これがこの事業部の○○というビジョンの実現につながるんだ。
部下:となると私の役割(ミッション)は○○ということなのですね。
上司:うん、でもこういう方面から考えるとどうだろう。
部下:あ、そうか、○○についても役割だといえますね。
上司:そうだね、私もそう思う。で、君やってくれるか。
部下:はあ・・・、今抱えているあの案件がまだ片付いていないし、それにちょっと自分の専門とは畠が違うようにも思えるのですが。
上司:あの案件なら終盤に近づいているよね、どのくらいの障害になるかな。それにこのプロジェクトは畠違いかも知れないけれど、経験が広くなっていいんじゃないか。
部下:はい、同時にやれるとは思います。でもこの案件は能力的にご期待に添えるかどうか不安があります。
上司:君が躊躇するのはわかるけど、このプロジェクトのメンバーとして活動していく中から、どんな経験が積めるとおもうかい。
部下:ハイ、○○とか○○とか。
上司:うん、それに○○もあるよね。
部下:ええ、そうですね。
上司:それにこのプロジェクトが完了した時に、君が得るものは何があると思う。
部下:えーと、○○とか・・・○○ですかね。
上司:そう、それに社内の評価も高まると思うよ。それが君の将来にどう貢献するだろう。
部下:将来といわれても、あまり先のことを考えたことがないのですが・・・。
上司:そうか、でも10年後は無理でも、5年後には、どんな存在になりたいの。
部下:かってな言い方かもしれませんが、実は○○の分野ではオンリーワンになれればいいと思っています。
上司:ほう、いいことじゃないか。そのビジョンにこのプロジェクトの経験はどうつながる。
部下:・・・あっ、そうか。○○という見方で考えれば大変役に立つ気がします。
上司:私もそう思うよ。このプロジェクト是非君に参加してほしいのだけど、どうだろう。
部下:ハイ、微力ですが、精一杯やらせてください。


 このような会話の積み重ねが、部下のビジョンを引き出すことにつながると思うのです。それがあればMBOの目標設定における面談も大変スムーズに進むものと思います。部下には今自分が立っているところをステージとして最高のパフォーマンス演じてもらうようにするためにもビジョンとミッションが大変重要なのです。

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写真は以下のサイトより引用させていただきました。
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by atanabe-coach | 2008-03-01 10:04
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