<   2007年 12月 ( 21 )   > この月の画像一覧

f0142717_16461922.jpg

 6月17日に開設したこのブログも、本日で136回目の投稿となりました。読者の皆様が読んでよかったと思っていただける内容であったかはなはだ不安です。私自身にとっては自分の学びにつながり、また書くこと自体のトレーニングにもなりました。平日はほぼ毎日書き続けたわけですが、ネタに詰まり苦し紛れに書いたりして、出来が悪いなと思えるときもありました。一方思いのほか出来がよくて、これは皆さんにぜひ読んでいただきたいと思う日もありました。毎日書くことは苦しかったのですが、それを続けられたのは毎日見てくださる皆様がおられたからこそです。ありがとうございました。

 このブログ、最近は「上司がんばれ」というテーマで連載しておりますが、実は経営者支援、ビジネスパーソンとしての心構えなど、ビジネス関連の分野を中心にもっともっと幅広く書きたいと思っています。一方で毎日書くことによりかえってアイデアに行き詰るということも経験しました。来年からはもう少しペースを落としながら、より幅広く、より面白い記事をアップしていきたいと考えています。とりあえず「上司がんばれ」を区切りのつくまでは続けて、その後は少し趣向を違えてみたいと思っています。

 2007年を表す漢字は「偽」でした。人を欺くような出来事が頻発した年でした。こんな2007年の悪さを「トォー」とけり倒す意味で、上の写真を載せました。企業もそうですが、個人もしっかりした軸をもち、それを堅持する、自社・自己の理念を持ち続ける、こんなことがいよいよ必要になってくるのだと思います。その上で目標をもってその達成に向かっていくという姿勢が問われます。そのようなことを考えるのに少しでもお役にたてるブログになればと思っています。2008年も皆様にとってよい年であることをお祈りしています。

   では、よいお年を!! 
[PR]
by atanabe-coach | 2007-12-31 17:50
f0142717_1171439.jpg

 現在の上司はプレイングマネージャーが多いと思います。短期的業績目標達成を求められる状況の中で、部下の育成という観点での行動が抜けていたりまたそれ自体に気がついていない上司も方もおられるように見えます。部下を育て、頼もしい人材にするために、上司に求められる行動要件をまとめてみました。連載でお送りします。

───────────────────────────────

第22回:行動レベルを叱ろう

 怒るいくつかの事例を挙げました。その中で、「部下の人格、性格、習慣までを批判する人」というのがありました。これは怒り方の中でも最悪のものといえます。そこで今日は、なぜこの事例がいけないかと、どうするのがいいのかを見て生きます。

 1970年代にアメリカで生まれた「NLP(neuro-linguistic programming)神経言語プログラミング」は、言語が人間にどのような影響を与えるかから出発した、心理学と言語学をもとに体系化した人間のコミュニケーションに関する新しい学問です。このNLPによると、人間の意識は次の5つのレベルに分けられ、それが階層をなしているといいます。最下層は「環境」レベルで、その上を順に示すと「行動」レベル、「能力」レベル、「信念・価値観」レベル、「アイデンティティ」レベルとなっています。これをニューロロジカルレベルと称しています。このレベルは最下層が自分の一番外側で、レベルが上がるにしたがって自分の内側に近づいてきて、最上層が自分の存在自身を示しています。

 これらのレベルに合わせて褒めていくことを考えます。
 ・環境・・・君の仕事の環境は大変いいね。
 ・行動・・・君のその仕事でとった行動は良かったね。
 ・能力・・・君がその仕事で見せている能力はたいしたものだね。
 ・信念・価値・・・君が仕事にあたる信念はすばらしいね。
 ・アイデンティティ・・・君はこの仕事になくてはならないすばらしい人だね。

 どれも褒め言葉で嬉しいでしょうが、どれがもっとも嬉しいでしょうか。やはり階層が上がるにしたがって、自分自身を褒められているという感じがしてくると思います。褒める時は極力上位のレベルを褒めましょう。

 次に、逆にそれぞれのレベルを叱るもしくは怒ってみましょう。
 ・環境・・・君の仕事の環境はなってないね。
 ・行動・・・君のその行動がトラブルの種だったね。
 ・能力・・・君が仕事で見せている能力は物足りないよ。
 ・信念・価値・・・君が仕事に向けている考え方はちょっとおかしくないか。
 ・アイデンティティ・・・君はこの仕事には向かないね、役に立たないよ。

やさしい言葉で表現しましたが、レベルが上がるにしたがって、心にぐさっと来る言葉になっていますね。怒ることにより相手を打ちのめすのであれば、より上位のレベルを捉えて怒れば効果てき面です。「おまえは無能だ」とか、「役立たずだ」とか、「お前は馬鹿か」とか、「もう要らない」とか言えば、相手は心がずたずたにされて立ち直れないかもしれません。これを根性なしと非難するのは当たりません。これを乗り越えてこそできる人間になるんだという人は、ではなぜこのようなレベルで怒るのでしょうか。その狙いは、その目的は何なのでしょう? このレベルを怒る必要性は全く感じません。効用があるとすると、怒る方の気が晴れるということくらいでしょうか。

 部下を叱る目的はあくまで部下が改善してくれることなのではないでしょうか。それであれば部下がこころから反省し、改善の行動を自発的にとるように叱らなければ意味はありません。それには、「行動」や「能力」レベルを叱ることです。そしてただ悪かったところを非難するのではなく、「何が悪かったんだ」、「どのようにすればよかったんだ」と聞くことも行ってください。すると部下は「何が悪かったのだろう」、「どうすればよかったのだろう」と考えます。そしてさらに「次はどうするんだ」、「今回の失敗から何を学んだんだ」と聞きますと、次への行動につなげることができるでしょう。

 叱る時は、行動または能力レベルを叱ります。

───────────────────────────────
 このブログ、お気に入っていただけましたら、お友達や上司・同僚・部下の方にも教えてあげて下さい。多くの方に読んでいただけると、筆者の励みにもなります。
───────────────────────────────
<写真、昨日の島にもう一キック トェーイ。足が曲がっとる! ナブコ@インドネシア>
[PR]
by atanabe-coach | 2007-12-28 01:28
f0142717_1585172.jpg

 現在の上司はプレイングマネージャーが多いと思います。短期的業績目標達成を求められる状況の中で、部下の育成という観点での行動が抜けていたりまたそれ自体に気がついていない上司も方もおられるように見えます。部下を育て、頼もしい人材にするために、上司に求められる行動要件をまとめてみました。連載でお送りします。
───────────────────────────────
第21回:怒るのではない

 昨日の叱るに関連して、「怒る」と「叱る」ということの違いを考えてみます。「怒る」とは自分の怒りの感情を相手にぶつけて発散させることです。相手の理解、共感を得るという観点は抜け落ちています。相手より自分の心をスッキリさせることがその効果として期待されます。一方「叱る」は相手が変わることを期待して言い聞かせることで、自分の感情はむしろ抑えているという状態でしょう。

 怒る上司も、理屈上はこの違いは分かると思います。しかし長年の自分のスタイルの中では、部下の指導=部下を怒る、ということでやってこられた方もおられると思います。またこの違いを知識として知っていても、その場面になると感情が先に出て怒ってしまうという方も多いと思います。叱るということは、かなり意識的にやらないとできないことのように思われます。


 怒る上司の典型的なパターンをいくつか上げてみます。
①怒鳴る、大きな声でしゃべる
②原因となった事象について、部下の悪いところをあげつらう。
③今回の事象に関係ない過去のことまで持ち出して、部下を責める
④なかには部下の人格、性格、習慣までを批判する人もいる
⑤上司の価値観、考え方をどどっとしゃべる
⑥部下の話は聞かない、聞こうとしない

などがあるでしょう。なお、⑤、⑥は怒っていない平時でも、良く見られる光景です。これが過ぎると、部下に対してよい影響を与えませんので要注意、ちょっとご自分を振り返って見られることをお勧めします。

 さてここで考えていただきたいことは、上のような状況で、部下はどう感じているかということです。最初は聞いていたとしても、いろいろ言われる中で、物理的に上司の声は聞こえても、頭では聞いていないという状態になるでしょう。ひたすら上司に怒られそれが辛かったという体験だけが残るでしょう。根性のある部下ならそれから這い上がって、自分で立ち直り、不足した点を改善していくという行動もとれるでしょう。しかし並の人間なら負の体験として残るだけです。そんな根性なしはいらん、といってもそういう人材を活用していかなければならないのが会社なのです。ましてや「お前はダメだ、役立たず」とか「給料泥棒」などと人格や存在を否定するような言葉を投げかけたとしたら、それは何を期待して投げかけているのでしょうか。このような言葉に対して部下が発奮するはずがありません。怒られる部下の立場に立ってみれば明らかなことです。

 いくら話しかけても、心が開かれておらず、頭では聞いていない、聞き入れていないという状態を「レセプター(受容器)が開かれていない」といいます。人に話しを聞いて理解してもらうには、レセプターを開かせる必要があり、そのためには「ラポール(信頼関係)を築く」ことがまず最初に必要になります。上に記載した、①~⑥の怒る上司の典型的パターンに対しては、実はラポールがぜんぜん築かれていないということが容易に想像できます。部下によろしくない事実を指摘し、反省を促し、考えを変え、行動を改めさせるには、まずラポールを築き、レセプターを開かせること、そしてその上で感情を抑えた対話をすることが必要になります。

 怒る部下指導というものは全く意味を持たないのです。
───────────────────────────────
 このブログ、お気に入っていただけましたら、お友達や上司・同僚・部下の方にも教えてあげて下さい。多くの方に読んでいただけると、筆者の励みにもなります。
───────────────────────────────
<写真:昨日分の写真にみえる木のような島の近くに行って見ました。この細い部分をけり倒したい衝動に駆られました。トゥーッ  ナブコ@インドネシア>
[PR]
by atanabe-coach | 2007-12-27 02:07
f0142717_0402753.jpg

 現在の上司はプレイングマネージャーが多いと思います。短期的業績目標達成を求められる状況の中で、部下の育成という観点での行動が抜けていたりまたそれ自体に気がついていない上司も方もおられるように見えます。部下を育て、頼もしい人材にするために、上司に求められる行動要件をまとめてみました。連載でお送りします。
───────────────────────────────

第20回:部下を叱る上での注意

 筆者は、部下とのコミュニケーションでは承認と褒めを基本的な態度と考えており、叱ることは最小限にすべきと考えています。

 部下が失敗した時、間違った方法を取った時、ミスをしたとき、これは部下がその失敗から学習して、一段高いレベルに上がれるチャンスです。それが最初のつまづきなら、叱ることは必要ありません。それから学んでくれればいいのです。それが2度3度と重なったり、あるいはここはしっかりやるようなキモがあらかじめ分かっていたのにはずしてしまった時などはやはり叱ることになります。

 叱る場合には、以下のようなことを意識しましょう。まず機会をとらえてその場で叱る。時間がたてばたつほど叱られることの実感が伴わなくなります。もちろん他の人の前でということは避けなければなりません。あくまで1対1で人の目に触れないところで叱ります。

 つぎに部下の改善やレベルアップが目的であることを十分に認識することです。叱ることは上司の気持ちを静めるためにやるのではありません。一番落ち込んでいるのは部下なのですから、これにあまり追い討ちをかけることは感心しません。

 そして部下にも十分気持ちを話させることです。これは部下がその経験から学ぶためにも必須のことです。事情や理由もあったでしょう。しかしそれを今後どう生かすかという話につなげることが肝心です。そのためにも頭の中にあることを話しつくして一旦頭を空にしないと、経験からの学習や上司のアドバイスが頭に入ってきません。失敗の理由を聞くときには、Why(なぜ)と聞くと、問い詰めているように感じられますので、What(なに)が足りなかったのか、What(なに)が障害になったのかと聞きましょう。その上で、今後How(どうすれば)同じ失敗を繰り返さずに済むだろうかと問いかけましょう。

 一通り聞いたら、上司から話します。部下の話に対していろいろと言いたかったことがあったと思いますので、これらも加えながら、上司の考えを冷静に筋道たって説明します。部下の話と相反することがあれば、その理由も説明します。部下に間違ったところがあればしっかり指摘しなければなりません。特に強調すべきところは強く言う必要もあるでしょう。また上司が悲しかったところ、会社が損をこうむった事実もしっかり伝えることが重要です。そして時々、分かっているかも聞いて確認したり、意見はあるかを聞いたりします。部下は自分の考えを話し、上司がしっかり聞いてくれた後なので、素直に上司の言葉が入って来るものです。

 そして最後に、部下に合意事項にむけて努力し行動する宣言をしてもらい、上司はそれを期待し見守るという宣言で終了しましょう。

 冷静に部下のために戦略性をもって叱るという心がけが必要です。

───────────────────────────────
 このブログ、お気に入っていただけましたら、お友達や上司・同僚・部下の方にも教えてあげて下さい。多くの方に読んでいただけると、筆者の励みにもなります。
───────────────────────────────
<写真、向こうに見えるのはサンゴが隆起してできた島です。そのような島は周囲を波で侵食されてえぐられます。向こうに見える木のようなものも、実は周囲が大変小さな島なのです。細い部分の直径は1mくらいしかありません。筆者はこれをけり倒したくなりました。ナブコ@インドネシア>
[PR]
by atanabe-coach | 2007-12-26 00:49
f0142717_23203435.jpg

 現在の上司はプレイングマネージャーが多いと思います。短期的業績目標達成を求められる状況の中で、部下の育成という観点での行動が抜けていたりまたそれ自体に気がついていない上司も方もおられるように見えます。部下を育て、頼もしい人材にするために、上司に求められる行動要件をまとめてみました。連載でお送りします。
───────────────────────────────

第19回:褒めの達人、山本五十六

 昨日は、日本の上司がなぜ褒めることができないかを考えてみましたが、実は褒めることの重要性は、かなり昔から言われています。有名な山本五十六元帥の言葉があります。

 「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」

 有名な言葉なので、ご存知の方も多いと思います。さて、この山本五十六元帥の言葉には続きがあるそうです。

 「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。」

 「やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」 

 ここまで知っている人は少ないですね。この言葉の中には、「話し合い」つまり「対話」、「耳を傾け」つまり「傾聴」、「承認」、「任せる」つまり「委任」、また「感謝」、「信頼」という言葉が入っています。これはコーチングのキーワードのオンパレードですね。60年以上も前にこんな言葉を言っていた人がいたのです。上下関係が非常に明確かつ厳格で、上の言うことは絶対服従の軍隊組織の人が唱えていたのですから驚きます。

 相手を承認するから感謝するし、信頼もする。また承認するから褒めもする。承認とは相手を褒める行動が起こる基礎なのです。ここが分かっていると褒めることがべんちゃらだとか、威厳が損なわれるとかにはつながらないと思います。60年以上も前の大日本帝国海軍軍人が言っていたのですから威厳はかえってあるのだと思いましょう。

 昨日の山本五十六元帥の言葉を、典型的なダメ上司を想定してパロディを作ってみますした。

 「やっても見せず、言うだけ言って、ほっぽって、怒るだけじゃあ人は動かじ。」

 あなたはどちらの上司になりますか。

───────────────────────────────
 このブログ、お気に入っていただけましたら、お友達や上司・同僚・部下の方にも教えてあげて下さい。多くの方に読んでいただけると、筆者の励みにもなります。
───────────────────────────────
<写真、貝をバリバリ喰うゴマモンガラ 顎が非常に発達していて、なんでも噛み砕きます。機嫌が悪いとダイバーにも噛み付こうとしてきます。 ナブコ@インドネシア>
[PR]
by atanabe-coach | 2007-12-25 00:19
 このブログは、平日に投稿をアップとしていますが、本日は特別に投稿します。また最近は「上司がんばれ」シリーズの連載となっていますが、本日は特別号です。
 実は知人からとてもすばらしい物をいただいたので、読者の皆様にもシェアさせていただきたいのです。筆者からのクリスマスプレゼントと思ってお読みください。

 さて、それはなにかというと、コーチングの仲間からいただいた、ある人の講演の録音を聞いた感想です。録音そのものをお届けできないのが大変悔しく感じますが、仕方ありません。以下ちょっと長くなりますが、ご容赦ください。

   ***以下感想です***

 その方は、顧客満足で繁盛しているレストランのオーナー中村文昭氏です。氏のことは、今回初めて知りました。Amazonを見てみると2003年から本も出版されており、ちょっとしたブームにもなっていたようで、自分の勉強不足を感じました。まあビジネスのいい話を聞けるかなという程度の期待をもって聞き出しました。所要時間を見てみるとなんと2時間、こりゃ長いわ、と思いながら、始めの15分くらいは中村氏の生まれ故郷の話が出てきて、少しは面白いかなと聞いておりました。ところが開始後20分あたりから「目からうろこ」とはこのことと思われるような話の連続で、気がつけば2時間の講演が終了。感動と涙の2時間でした。あまりの衝撃に、すこし時間をあけてもう一度聞いてしまいました。筆者もセミナーとか自己啓発ものとかが好きですが、いままででもっとも印象に残った講演であったと思っています。


ちょっと粗筋を紹介します。

 自分探しで三重県の山林ばかりの故郷を飛び出して東京に出てきた若き中村氏は、自分のやりたい仕事がわからず土木作業員とドーナツ作りのアルバイトをしながら、もんもんとした日々を送っていた。ある日焼き鳥屋で、後の人生の師となる田端俊久氏と出会い、人生の目的、働く目的を問い詰められ、自分がなにも考えていないことを痛感する。「他人との比較で生きる人生はさびしい」と諭され、即座に田端氏に弟子入り、田端氏率いる野菜行商軍団に加わり、仕事と勉強と修行の集団生活が始まった。
 5人の弟子たちは、田端軍団の4大ルール「0.2秒での即座の返事・・・自分の都合をつべこべ考えない」「頼まれ事は試され事・・・頼んだ人の予想を上回れ」「出来ない理由を言わない・・・物事が出来ないのは、出来ない理由をしゃべるから」「『そのうちやる』といわない・・・今出来ることを探して体を動かす」のもとで、日々田端氏の薫陶を受けていった。そして、お客様の期待以上の満足を追及する行商の姿勢は、団地のおばちゃんたちの支持を受け、ファンを増やし、味方を作っていった。
 こうして行商が順調に伸びていき、軍団は六本木にバーを出すことになり、中村氏が一人でそのバーを任されることになった。全く経験のない中村氏はある有名ホテルのラウンジに4ヶ月のバイト修行にでる。最初は退屈な皿洗いであったが、田端氏のアドバイスにより、皿洗いの働き方を変えて「日本一の皿洗い、稲妻の皿洗い」をめざし、そこの料理長や職場の人々をファンにしてしまう。これも相手の予測を上回ろうという行動の成果であった。この後バーはそのラウンジの人々のバックアップで無事開店し、業績も向上した。
 そして「おまえはもう成長した」と田端氏に認められた中村氏は、3年半ぶりに故郷の三重県に帰って独自でビジネスを始め繁盛している。


 この講演の間にずっと出てくるのが師匠田端氏の人生哲学です。
・人生に夢と目的を持て、それが日々の行動を産み、その積み重ねが人間力を鍛える。そして人間力に優れた人間に、他の人々は惹かれる。情熱をもって一生懸命にやる人を、他の人々は応援してくれる。
・夢が探せていない人間は人を喜ばせて生きていけ。そして人の予測を上回る働きをせよ、そうすると自分にしかできない役割が回ってくる。結果として、なくてはならない存在になれる。
・出来ないと考えるな、出来ないというのは自分が決めている、今出来ることを考えよ、体を動かせ、体を動かさないと目前の景色は変わらない。開き直るとたいていのことは出来てしまう。
・つらいことは1月もすれば慣れる、それはあとでネタになる。あきらめなかったら失敗は全てネタ、失敗が多い分だけ話がドラマチックになる、「失敗先発隊」、喜んで失敗させてもらう。
・人の予測を上回る結果を出せば、自分を覚えてもらえる、その人の記憶に長くとどまる。その人が外でしゃべってくれる。
・商売は人と人とのつながりだ、人の後ろにもまた人がいる。お客様の支持を得れば、あの店から買いたい、あの人に会いたいと思ってくれる。
 
 これらの考え方を、田端氏から体の芯まで刷り込まれたことが、中村氏の成功の減点になっています。 筆者は、講演を聞きながら必死でメモをとっていました。ビジネスにも人生にも、しっかりと深く心に響きます。それにしてもこの田端という人は偉いです。若き中村氏に焼き鳥屋で、衝撃の質問を問い詰めたのは、田端氏が若干26歳の時だったそうです。現在は熊本県で賢人塾という精神修養施設の開設の準備をやっておられるそうです。

 そしてこの中村氏は今、伊勢市で手作り結婚式ができるレストランをやっています。そこの従業員は当然田端氏からうけついだ中村哲学を実践しており、広告宣伝費はゼロ、それでもお客様が口コミでやってきます。(この講演録を聞かせた筆者の娘も、ここで結婚式をしたいと言い出しました。)また全国各地で人のご縁を大切にする生き方などを講演して回っておられるます。ぜひ一度本物をライブでお聞きしたい、言葉を交わしたいと思いました。

 このような生き方が出来たらいいな、いやオレも今からでもできるかぎりはやってやそろう、とそういう、心に元気をもたらせてくれる話でした。氏の著作「お金でなく、人のご縁ででっかく生きろ」「お金でなく、人のご縁ででっかく生きろ(2)」をセットでアマゾンに即注文したのは言うまでもありません。読み終わったら感想をアップさせていただきます。
[PR]
by atanabe-coach | 2007-12-24 02:11
f0142717_0152790.jpg



 現在の上司はプレイングマネージャーが多いと思います。短期的業績目標達成を求められる状況の中で、部下の育成という観点での行動が抜けていたりまたそれ自体に気がついていない上司も方もおられるように見えます。部下を育て、頼もしい人材にするために、上司に求められる行動要件をまとめてみました。連載でお送りします。
───────────────────────────────
第18回:部下を褒めよう

 昨日は、部下を承認することについてみてみました。今日はさらに踏み込んで部下を褒めるということについてみてみます。

 よく「褒める社風」ということが言われていますが、筆者はちょっと異論があります。なんでもかでも褒めていると、褒めることが飽和すると思うのです。褒めるのはやはりよい結果、すばらしい行動を見せた時のために取っておくべきと思います。部下を承認するだけでも、部下に対して十分なモチベーションの向上効果が見られます。そして、ここぞというところでは本当に心から部下を褒めることです。こうして褒められることの効果は更に高まります。これこそマズローの第4段階の「自我の欲求」を満たしてあげることになります。このような報酬は、当人にとって金銭的な報酬などよりももっと価値があるといわれています。褒められた部下はたいへん強く動機付けられます。褒める時にはみなの前で褒めることがよいということは言うまでもありません。

 さて、筆者が思うに、日本の上司は褒めることが本当に下手です。褒めている上司像というのはあまり見たことがありません。なぜ日本の会社の上司は褒めることができないのでしょう。筆者の推測した原因です。

A:精神的な立ち位置によるもの
A-1.日本の男たちは、感情を人前で表すのを男らしくないと教育されてきた。褒めることもなんとなく面映く、恥ずかしい。
A-2.会社に入ってから、自分の上司からもハッパばかりかけられてきた。上司はハッパかけるか、怒る(叱るでなく)もんだ。
A-3.仕事は歯を食いしばって頑張るものだ。部下は褒めなくても頑張らねばならないのだ。


B:褒める基準が高いことよるもの
B-1.上司から見たら部下は当然レベルが低い、そんな低い部下を褒められるはずがない。
B-2.そもそも部下はこれくらいのレベルであってほしい、しかしそれに全然とどいていない、そんな状況で褒めることはできない。


C.威厳を保つため
C-1.下手に褒めると付け上がる。男がなめられる。だから褒めない。
C-2.部下の機嫌をとるようなベンチャラは言いたくない。


D.褒めない体験からきたもの
D-1.褒めるということがない環境で過ごすうちに、そもそも褒めるという発想自体をなくしてしまった。
D-2.褒めた人を見たことがなく、また褒められたことがない。


 いろいろな理由が考えられます。いままでやったことがないかもしれませんが、ここはぜひ慣れていただいて、部下の行ったよい結果や優れた行動に対して、素直に部下を褒めていただきたいものです。歯の浮くようなベンチャラは必要ありません。

 さりげない言葉でいいのです、心で感じたことを素直に口に出しましょう。
───────────────────────────────
 このブログ、お気に入っていただけましたら、お友達や上司・同僚・部下の方にも教えてあげて下さい。多くの方に読んでいただけると、筆者の励みにもなります。
───────────────────────────────
<写真、ダイブリゾートの子犬のベニー ナブコ@インドネシア>
[PR]
by atanabe-coach | 2007-12-21 00:21
f0142717_09639.jpg

 現在の上司はプレイングマネージャーが多いと思います。短期的業績目標達成を求められる状況の中で、部下の育成という観点での行動が抜けていたりまたそれ自体に気がついていない上司も方もおられるように見えます。部下を育て、頼もしい人材にするために、上司に求められる行動要件をまとめてみました。連載でお送りします。
───────────────────────────────
第17回:部下を承認しよう

 あなたは部下を承認していますか。いきなりこう言われても面食らいますね。まず人を承認するとはどういうことでしょうか。・・・それはその人の存在を価値あるものとして認めることです。だれもがかけがえのない個性をもって存在しています。その個性を尊重し、価値を認めるのです。これは愛情がなければできないことと思います。自職場の使命を担ってくれる部下の存在を認めるというのがまず必要なことです。朝顔を合わせたら、「○○さん、おはよう」と挨拶するのも、部下が話しに来てくれたら感謝するのもこれに当たるでしょう。

 次に、それゆえに部下のことを気にかけることです。そうすれば次のようなことにも気がつくでしょう。上の承認が存在に対する承認であることに対して、これは行動や変化に対する承認です。

 ・今日は顔色がいい。
 ・髪形が変わった。
 ・今までにない色の服を着ている。
 ・今日は彼の誕生日だ。
 ・最近は朝早く出社するようになった。
 ・今回の報告書は早く提出してくれた。
 ・取引先との折衝がうまく行っているようだ。


 このような時には積極的に声をかけましょう。

 ・「今日は顔色がいいじゃないか。」
 ・「あっ、その髪いいね。どうしたの。」
 ・「へー、こんな色も着るんだね。若々しくていいね。」
 ・「誕生日おめでとう。いよいよ30代だね。」
 ・「最近は朝から頑張ってるんだね。」
 ・「今度の報告書は早いじゃないか、嬉しいよ。」
 ・「あの取引先と話はうまく付きそうだってね。楽しみにしてるよ。」


 さて、人間にとって怖いことのひとつは、回りの人に無視されたり、認められなかったりすることです。有名なマズローの要求5段階説でも、第1段階の「生理的欲求」、第2段階の「安全欲求」の物理的に生きていく上での要求の次に、第3段階の「社会的欲求」(集団や家族への帰属を求める欲求)、第4段階で「自我の欲求」(他者から尊敬や賞賛をされたいとする欲求)がきています。無視されたり、認められないということは人間としての基本的な欲求である社会的欲求や自我の欲求を満たせないことにあたるのです。(ちなみに第5段階は「自己実現の欲求」です。)基本的な欲求を満たせないと人間は著しく心のエネルギーが低下します。逆にここを満たしてあげれば、エネルギーは高くなるといえます。部下の変化を見つけてそれを積極的に部下に伝えれば、部下は上司のあなたから見守られている、気にかけてもらっているという安心感と、目標に向かうエネルギーが高まってモチベーションも高まるのです。

 日本の上司は照れ屋なのか、上のような承認の言葉をなかなかかけません。まして褒めることはもっとしません。でも良く考えてください、褒めるのはなかなか難しくても、承認はもっと簡単です。だって事実を言葉にして口に出すだけだけなのですから。

 承認のネタはいくらでも回りに転がっています、承認はどんどんやりましょう。

───────────────────────────────
 このブログ、お気に入っていただけましたら、お友達や上司・同僚・部下の方にも教えてあげて下さい。多くの方に読んでいただけると、筆者の励みにもなります。
───────────────────────────────
<写真、水面近くのマンタを見上げて ナブコ@インドネシア>
[PR]
by atanabe-coach | 2007-12-20 00:17
f0142717_0164957.jpg

 現在の上司はプレイングマネージャーが多いと思います。短期的業績目標達成を求められる状況の中で、部下の育成という観点での行動が抜けていたりまたそれ自体に気がついていない上司も方もおられるように見えます。部下を育て、頼もしい人材にするために、上司に求められる行動要件をまとめてみました。連載でお送りします。
───────────────────────────────
第16回:キャッチボールの成り立つ条件

 昨日の続きをもう少し。「コミュニケーションはキャッチボール」という本の内容のご紹介です。コミュニケーションを新体操のボールを使ったキャッチボールに見立てて分かりやすい説明がなされています。日常生活や仕事や人材育成の場におけるコミュニケーションに活用できるヒントが満載です。

 さてこの本では、キャッチボールをスタートさせ、うまくいかせるための条件を挙げています。

まずスタートさせる条件です。
①どちらかが始めたいという意図を持つ。コミュニケーションの始まりは、それを始める人の「伝えたい」「関わりたい」という欲求である。
②相手の同意を取る。相手の準備も必要だし、途中で熱くなっても感情的になったりしないことの同意が必要である。
③向かい合って立つ。きちんと正面から向かい合って立つ。
④適度な距離をとる。遠すぎず近すぎず、相手と関係によって感覚で測る。


次にうまくいかせる条件
⑤完了させる。自分が投げて相手が受け取り、それを相手が投げ返して自分が受け取る。これが1ユニットであり、この1ユニット毎に確実に完了させる。これが完了されないと、得られていない答えを探すためにエネルギーを消耗する。
⑥待つ。「間を取る」 相手の答えを聞かずに自分で言ったり、相手が話しているのに口を挟んだり、必要以上に長く考え込んだり、沈黙を恐れてじゃべりつづけたりしない。相手からの評価を恐れない。コミュニケーションを交わすことが気持ちよく感じられること。
⑦相手の聞く能力を高めるように話す。相手に合わせて受け取りやすいボールを投げる。わざと専門用語や難解な言い回しをしない。
⑧相手の話す能力を高めるように聞く。聞き手の聞く能力が相手の話す能力を上達させる。聞く能力とは、相手が話す事柄を発見できるような効果的な質問をする能力であり、相手に話させる能力。
⑨受け入れる。同意できない内容であっても、相手はそう思ったことは事実なので、そのこと自体は受け入れる。(ちょっと分かりにくいと思うので補足します。内容に同意できなくても「ああ、そう思われるのですね。」などと一旦受けた上で、自分の意見はその後言う。)こうすれば、意見は違っていてもキャッチボールは続けられる。


最後にキャッチボールの原則として
・1対1である。
・対等である。
・どちらの意見が正しい/間違っているという二極化を避ける。
・考えが違うことを大事にする。
・お互いに質問する自由を保障する。
・使うことばが同じであっても、それぞれ違うことを理解している。

を挙げています。

 このようにコミュニケーションの本質をついた事柄が平易に書かれています。これらのことを配慮してコミュニケーションができたら本当に相手その相互理解が図れるものと思います。

 今回のブログではあっさりと記載しましたが、この本では、ボールを受け渡しながらの説明が合わせて書かれており、非常に説得性の高い内容になっています。よろしかったら一読されることをお勧めします。
amazonの他の人の書評もご参照ください。
  「コミュニケーションはキャッチボール
  著者:伊藤守 出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
───────────────────────────────
 このブログ、お気に入っていただけましたら、お友達や上司・同僚・部下の方にも教えてあげて下さい。多くの方に読んでいただけると、筆者の励みにもなります。
───────────────────────────────
<写真、悠々と泳ぐマンタ、映画スカイキャプテンにでてくる戦闘機のようです。 ナブコ@インドネシア>
[PR]
by atanabe-coach | 2007-12-19 00:23
f0142717_00428.jpg

 現在の上司はプレイングマネージャーが多いと思います。短期的業績目標達成を求められる状況の中で、部下の育成という観点での行動が抜けていたりまたそれ自体に気がついていない上司も方もおられるように見えます。部下を育て、頼もしい人材にするために、上司に求められる行動要件をまとめてみました。連載でお送りします。
───────────────────────────────
第15回:コミュニケーションはキャッチボール

 昨日まで、部下の話の聴き方についてみてきました。ここでコミュニケーションのあり方について分かりやすく書かれている本がありますのでちょっとご紹介しておきます。

 「コミュニケーションはキャッチボール」、これはコーチ・トゥエンティワンの社長伊藤守氏の著作のタイトルです。コーチ・トゥエンティワンではコミュニケーションの研修を、新体操のボールを使ってやっており、その内容を平易な文章で紹介したのがこの本です。大変薄い本ですが、コミュニケーションに関するたくさんの示唆が盛り込まれており、筆者は感銘を受けました。

 キャッチボールは、2人が向かい合って、交互にボールを、相手が取りやすいように投げあい、続けていくものです。伊藤氏は、人の会話をキャッチボールにたとえています。お互いに相手が受け入れやすいように発言し、最終的に合意を形成するものがコミュニケーションであるというのです。そして私たちの身の回りには、このようなキャッチボールになっていない会話があふれているといっています。具体的に挙げてみますとつぎのようになります。(実際にボールを投げあいながらやってみるのが研修ノウハウということですが、市販されている本なので内容をこのように紹介しても支障ないと思います。)

①キャッチボールを始めたつもりが、ドッジボールになっている。自分が正しい・強い・上だ・頭がいい、などの目的を持ってしまい、剛速球を投げ返す競争になっている。
②投げられたボールがはねつけられたり、受け取られたものの横に捨てられたり、あるいはボールを無視されたりする。つまり発言をはねつけられたり、返事がなかったり、無視されたりしている。
③投げたボールと違うボールが返って来る、あるいは投げたボールがもてあそばれてしまう。つまり発言が評価されてしまう。
④1つボールを投げたのに、何個もボールを投げ返される。つまり双方向であるコミュニケーションが一方的になされている。
⑤到底届かないボールを頭越しに別の人に返される。つまり仲間に入れてもらえなかったり、頭越しにコミュニケーションする。


 たいへん分かりやすいたとえになっていると思いませんか。筆者も①の傾向がありましたので、この本を読んでからドッジボールにならないように気をつけるようになりました。

 上にご紹介したコミュニケーションを成り立たせなくさせる要因は、上司と部下の間においても同様です。双方が快く参加でき、続けられるキャッチボールを目指しましょう。
───────────────────────────────
 このブログ、お気に入っていただけましたら、お友達や上司・同僚・部下の方にも教えてあげて下さい。多くの方に読んでいただけると、筆者の励みにもなります。
───────────────────────────────
<写真、右側から画面を横切ろうとするロウニンアジ、ふてぶてしいツラのヤツです。 ナブコ@インドネシア>
[PR]
by atanabe-coach | 2007-12-18 00:05
←menu