タグ:人材育成 ( 40 ) タグの人気記事

f0142717_07141.jpg

 先日、企業の人事部門の方々のフォーラムに参加する機会があり、ある企業様内の人事施策や人材育成活動の説明とそれについての意見交換がありました。その席でコーディネーターの某大学の先生が嘆いていたことがありました。先生曰く、「最近はマネージャーの教育として、コミュニケーションだとかコーチングだとかファシリテーションだとか取りざたされているが、これらはマネージャーが成果をあげるためのツールで枝葉の部分である。本来マネージャーの育成のために教育すべきは、PDCA(Plan、Do、Check、Actionのマネジメントサイクル、提唱者の名前からデミングサイクルとも呼ばれます)を回して成果を出すことそのものである。最近はこのベイシックの部分にあまり陽が当たっていないように思える。教材も少ないのではないか。」 これに対して参加者の皆さんも同意のような反応でした。

 考えてみると、ずっと以前はマネジメントというとPDCAのデミングサイクルとか問題解決あるいは課題解決などがキーワードでしたが、ここ10年は、マネジメントを語る場合のキーワードとしてコミュニケーションだとかコーチングだとかファシリテーションなどという言葉が登場するようになったように思えます。その分PDCA、問題解決、課題解決などの影が薄くなったような印象もあります。この先生はこのことについて、もっと基本に戻ってマネージャーを育成しようよと言われているのだなと思い、共感もいたしました。

 さて、コミュニケーションだとかコーチングだとかファシリテーションというのは、このブログにおけるテーマの一つであり、筆者はしばしば取り上げています。これらはマネージャーが備えるべき資質として当然のものとして考えてきましたので、先生のことばをお聞きしてもう一度整理してみました。

 まずマネージャーとは何か・・・よくいわれる定義は
  「人を使って成果を出す人」
があります。もうすこし丁寧に言うと
  「上位方針に従って、効率的に組織を動かして効果的な結果を出す人」
となるでしょうか。つまり自分が自ら実行するのではなく、
  「人や組織を効率的に使って」  「効果的な結果を出す」 
なのです。

 このように定義付けられるマネージャーの活動をレベルアップさせるためには次のようなことが考えられます。

 「効果的な結果を出す」の部分からは、課題設定や問題発掘をし、PDCAサイクルを回して活動を進める。そのために達成度の測定指標を売上高や利益、生産性、不良率などの数値で設定し、見える化するという能力やスキルが必要となります。(これを仮に問題解決系のスキルといいましょう。)

 一方「人や組織を効率的に使って」の部分から、部下の目標管理やモチベーションの向上、職場内のコミュニケーションの促進などの能力・スキルが必要となります。(これを仮にコミュニケーション系のスキルといいましょう。)

 たしかに「結果を出す」ということが最終結果ではありますが、「人や組織を使って」ということが不可欠の手段である限りは、問題解決系コミュニケーション系の両面にわたるコンピテンシーがマネージャーに求められるといえるでしょう。したがって、これらは車の両輪のように両方とも重要であり、そしてまた、この枠組みを研修などの教育プログラムの冒頭で明確にすることが受講者の理解のためにも大切だと筆者は思います。

 ところが、今行われている研修や、ビジネス書では、この枠組みをきちんと整理して伝えることがあまり見られず、いきなりどちらかのコンテンツに入ったり、最近はコミュニケーション系が全てのような言い方になっていることもあるように思います。これが冒頭の先生が言われていることにつながっているのでしょう。

 バーナードという経営学の先生は、公式組織が成立する条件として
  「共通目標」
  「貢献意欲」
  「コミュニケーション」

の3つが必要だといっています。組織の目標を達成するためには、構成メンバーがその目標を共有し、互いに貢献しようと欲し、そのためにコミュニケーションが必要なのです。だとするとコミュニケーション系は枝葉のスキルではなく、問題解決系のスキルを発揮するための基盤のようにも感じているところです。
---------------------------------------------------------------
冒頭の写真:熊本城に隣接する細川刑部邸、昔の上級武士の暮らしぶりがわかる邸宅です。ひっそりとした落ち着いた場所でたいへん癒されました。
[PR]
by atanabe-coach | 2008-10-26 23:30
f0142717_013465.jpg

 人材育成のための研修でのテーマの大きなものに、「チーム力アップ」、「職場のコミュニケーションの改善」、「自主的な行動」、「報連相」などがあります。このような研修では、いわゆる座学とよばれる講義一辺倒の内容では到底効果がでません。なぜならば、伝えるべき内容は、文字にしてしまえば、至極あたりまえのことであり、参加者に驚きも感動もなにも与えず、ただただ睡魔がおそうだけとなるからです。時には、すばらしい事例のお話でで、感動を聞き手に与える講師もいらっしゃいますが、それも聞くだけであれば、「ああ、いい話だった」で終わるでしょう。

 というわけで、このような研修では、グループによる演習やディスカッションを取り入れたり、グループで作業をしたりする中から、参加者に気づきを得てもらうような仕掛けを取り入れるケースが多くあります。そのような仕掛けの一つに「教育訓練ゲーム」というものがあります。これは、参加者でグループを作ってもらい、皆で協力してあることをうまく成し遂げる、つまり時間内に目的の状態をつくる、という作業をやってもらうものです。

 いくつかのゲームネタはすでに使っておりましたが、その拡充のため、先日ネタ仕入れにいってまいりました。ある団体が福岡で開催したゲームトレーナーのための研修です。結論をいうと満足度は100点に近かったのです。この研修で体験したのは5つのゲームですが、どれも言葉で100回聞くより、このゲームを1回経験することによる気づきは大きいと感じました。

 コミュニケーションのとり方がかなり制限される中で、必死に他のメンバーと情報交換を行い、目的を探し・理解し、それに向かって進めていく、一方で制限時間がせまってきて、あせりがでる、そのような中で使命を遂行する、そしてなんとか完成。・・・緊張と集中と、その後の達成感、心地よい疲労を他のメンバーと共有しました。これによってメンバー同士が一体感で結ばれる効果は大きいと感じました。

 ゲームを行うことによっての気づきは次のような点に集約されました。
  集団におけるパフォーマンスをあげるには
   ・目的を明確にして、全員で共有すること
   ・情報をスムーズに流すこと
   ・全体を俯瞰して、指示できるリーダーが存在していること
   ・一方で全員が自主的に行動すること
など。

 筆者は、新入社員、現場リーダー層、管理者層などを対象とした研修に関わっていますが、それらへの採用をぜひ検討して行きたいと思います。

 それにしても、これらの教育訓練ゲーム、よくよく考えられています。このようなゲームの考案には相当なセンスが必要でしょう。この団体が取り扱っている一連のゲームの作者は、すでに亡くなったということですが、ビジネスシーンでなくても、人と人をつなぐ絆の重要性に気づく、もっともっといろんなゲームを開発していただきたかったものだと思いました。

 なお、今回の研修で、九州・中国の数社の人事担当の方々との絆ができたのは、思いがけない収穫でした。何かを一緒にやるということは、人の心を結ぶものですね。

--------------------------------------------------------------------
最初の写真:8月23日に行った長崎 辰ノ口でのダイビングにて。ミドリイシサンゴに群れるソラスズメダイ
[PR]
by atanabe-coach | 2008-09-03 00:11

f0142717_19412376.jpg
 前回に引き続いて、最近、研修の仕事の中で出会った言葉について書いて見てみます。


 筆者の最近のテーマの一つに、企業で働く皆さんが、いかにやりがいをもってイキイキと仕事をすることができるかということがあります。そのための条件として、たとえば、
 ①担当している仕事の目的や目標を理解していること。
 ②その仕事をすることによって自分が何を得ることができるのかが理解できていること。
 ③自分のやりたいこと、実現したいことが、仕事の方向や目標に重なっていること。
 ④目標を細分化して、細分目標の達成を積み重ねる実感を得ることができること。
 ⑤進捗や達成状況を承認してくれる周囲の目があること。
などがあるでしょう。

 さて、人が物事を行う時に発揮する力は、次のようになっているそうです。
 1.「いやいや」やった時の力=1
 2.「やらねばならぬ」と納得してやった時の力=1.6
 3.「やりたい」と思ってやったときに発揮される力=1.6の2乗

 ①~⑤の条件が整うということは、「やりたい」と思って仕事をやっている状況でしょうから、仕事の質やスピードも上がります。苦しいことも耐えることができるでしょう。そしてその結果として仕事を楽しむことができているといえるでしょう。

 このような状況をうまく表現する言葉はないものかと考えている中、外部招聘講師による研修で、「まさしくこれだ!」と思う2つの言葉がありました。その2つの言葉とは・・・


■公私融合
これは、「公私混同」の対極にある言葉です。「公私混同」とは、「はてなダイアリー」によると「私的な利益を図る為に公式な権限を濫用する事。パブリックなことに私的な思惑や利害を持ち込んで、けじめがないこと。」とされていまいます。公的なことには私的なことを持ち込んではいけないということが、日本人の規範となっており、私たちはずっとそのような規範の中で育てられてきました。規範にそむくことを戒める言葉です。
一方「公私融合」とは、パブリックなことや仕事の中に私を積極的に持ち込んで一緒くたにしてやっていこうというものです。つまり、自分自身の目的・目標やゴールを、仕事の目的・目標に重ね合わせて、仕事をやりながら同時に自分の目標達成もやってしまう、まさに上記の①~③の実現した状況といえます。

■活私貢献
こちらは、「滅私奉公」の対極です。同様に「はてなダイアリー」によると「滅私奉公」とは「私心を捨てて公のために尽くすこと。(大辞林)」とあります。これはさすがに今では口にする人はいないと思われる古い価値観ですが、言葉としてはまだ時々耳にすることはあります。
一方「活私貢献」とは、自分の志を活かしながら、パブリックなことや仕事に貢献する、自分と仕事を両立させ、相乗効果をも出してしまういう意味でしょう。


 これらは辞書にも載っていない造語なので、意味合いは筆者の個人的理解ですが、一目見てこのように理解した次第です。「公私混同」という「私」を出しすぎたマイナスイメージの言葉との反対語として考案された「公私融合」。「滅私奉公」という「私」を殺した(一昔前の表現ではありますが)道徳的な言葉の発展した形としての「活私貢献」。出発したところが異なるのに、考案された造語がともに似通った意味合いになっているのが興味深いところです。

公私融合」と「活私貢献」いい響きです。積極的に使って行こうと思います。


---------------------------------------------------------
写真は以下のサイトより引用させていただきました。
「2000ピクセル以上のフリー写真素材集」


腰痛の養生のためにオリンピック鑑賞三昧で過ごしたお盆休みも今日で終わりです。(腰痛自体はうわさの整骨院の治療で痛みは早くから取れておりましたが、用心のため普段に比べてはじっとしておりました。)
[PR]
by atanabe-coach | 2008-08-17 19:48

f0142717_1451284.jpg

 最近、私の新職場で人材育成の研修の仕事に携わっている中で、いくつかのすばらしい言葉がありました。今回と次回はこれらについて書いてみます。

 まずは、よく目にする言葉ではありますが、「自律」です。普通は「自立」と書くことが多いと思いますが、我々の研修では「自律人材」になることを求めています。見ていると講師側も受講者側もその意味が分かっていることが前提で研修が進んでいますが、「自立」と「自律」の違いはなにかはっきりさせておく必要があると思い、あらためて調べてみました。


自立
他への従属から離れて独り立ちすること。他からの支配や助力を受けずに、存在すること。
自律
他からの支配・制約などを受けずに、自分自身で立てた規範に従って行動すること。

<以上、大辞泉より>

「自立」に加えて、自分自身で「規範」を持っているということがポイントでしょうか。でももう少し研修の意図に沿った説明はないかなと、さらに調べてみますと・・・ありました。

自立人材
自分の意見を持ち、自己の意見を主張できる人材であるが、それは個人の単なる自己主張・満足で終わってしまう状態と考える。
自律人材
他者のニーズを把握し、それとの調整をはかりながら、自分自身の行動のコントロールを行い、自らを律しながら、自己実現を図ることのできる人材

<以上、『一橋ビジネスレビュー 2003年夏号.SUM.(51巻1号)~キャリア自律の新展開』より>

これですね。「他者のニーズとの調整」、「自分自身の行動のコントロール」、「自己実現」、このようなキーワードが欲しかった。

筆者の関係する新入社員研修の中では、「自主性」とか「行動」なども主催者側からは求めているように思えます。主催者側としてここは明確に押さえておく必要がありそうです。

 いままで、研修の中では「自律人間になれ」といっていましたが、よく考えてみるとそれがどんなことなのかは、各人の頭の中にしかありませんでした。それぞれで違ったイメージをもっていたかもしれません。「自律人材」とはどういう人材なのか、これを受講者に議論してもらい、それを言語化してもらうと、ぐっと肚に落ち、意欲や行動につながりやすくなるでしょう。今後の改善点だと思いました。


-------------------------------------------------------------------

<写真の説明>フジイロウミウシのペア。7月20日に行った山口県青海島でのダイビングでの写真です。様々な色・模様の種類がいるウミウシは海の宝石です。
8月10日にもダイビングに行く予定にしていましたが、腰痛となって断念しました。現在静養中です。

[PR]
by atanabe-coach | 2008-08-14 15:08
f0142717_956956.jpg

 現在の上司はプレイングマネージャーが多いと思います。短期的業績目標達成を求められる状況の中で、部下の育成という観点での行動が抜けていたりまたそれ自体に気がついていない上司も方もおられるように見えます。部下を育て、頼もしい人材にするために、上司に求められる行動要件をまとめてみました。連載でお送りします。

───────────────────────────────
 3月になりました。このあいだ2008年になったと思ったのですが、早いものです。筆者の住む千葉では昨日、今日と暖かい日が続きます。今日は、以前筆者がインドネシアに赴任していた時のダイビングの師匠、奥様にダイビング仲間と再会します。春っぽい日差しに、筆者の心もウキウキです。では、3月最初の記事をお送りします。
 
第40回:部下のビジョンを引き出そう

 前回は、部下個人にもビジョンとミッションを制定してもらうことが企業、組織、個人の目標達成の上で望ましいと述べましたが、残念ながらここまで上司と部下で対話している例はあまり聞きません。上司にはそこまでの余裕がないものと思われます。

 では、どうしたらいいのででしょうか。部下にあらたまって、「君のビジョンはなに」といきなり聞いても戸惑うばかりでしょう。またビジョンをを普段から考えている人というのは多くはないでしょう。したがって上司には面談の中や普段の会話の中で部下から引き出してあげる態度が望まれます。普段の会話の中でも会話を通じて、部下のビジョンを考えさせる態度を意識してもらうことを工夫できると考えます。以下はその例です。傾聴と質問というコーチングスキルを活用し、部下の気づきを引き出しています。

上司:今度のXプロジェクトのメンバーになってもらおうと考えているのだけど、このプロジェクトについてきちんと説明しておこう。
部下:ハイおねがいします。
上司:このブロジェクトは、○○○○(目的・目標、事業における位置づけ、メンバー案、スケジュールなど)なんだよ。その中で君にはこの部分をやってもらいたいんだ。このプロジェクトの持つ意味はこのように重要だし、これがこの事業部の○○というビジョンの実現につながるんだ。
部下:となると私の役割(ミッション)は○○ということなのですね。
上司:うん、でもこういう方面から考えるとどうだろう。
部下:あ、そうか、○○についても役割だといえますね。
上司:そうだね、私もそう思う。で、君やってくれるか。
部下:はあ・・・、今抱えているあの案件がまだ片付いていないし、それにちょっと自分の専門とは畠が違うようにも思えるのですが。
上司:あの案件なら終盤に近づいているよね、どのくらいの障害になるかな。それにこのプロジェクトは畠違いかも知れないけれど、経験が広くなっていいんじゃないか。
部下:はい、同時にやれるとは思います。でもこの案件は能力的にご期待に添えるかどうか不安があります。
上司:君が躊躇するのはわかるけど、このプロジェクトのメンバーとして活動していく中から、どんな経験が積めるとおもうかい。
部下:ハイ、○○とか○○とか。
上司:うん、それに○○もあるよね。
部下:ええ、そうですね。
上司:それにこのプロジェクトが完了した時に、君が得るものは何があると思う。
部下:えーと、○○とか・・・○○ですかね。
上司:そう、それに社内の評価も高まると思うよ。それが君の将来にどう貢献するだろう。
部下:将来といわれても、あまり先のことを考えたことがないのですが・・・。
上司:そうか、でも10年後は無理でも、5年後には、どんな存在になりたいの。
部下:かってな言い方かもしれませんが、実は○○の分野ではオンリーワンになれればいいと思っています。
上司:ほう、いいことじゃないか。そのビジョンにこのプロジェクトの経験はどうつながる。
部下:・・・あっ、そうか。○○という見方で考えれば大変役に立つ気がします。
上司:私もそう思うよ。このプロジェクト是非君に参加してほしいのだけど、どうだろう。
部下:ハイ、微力ですが、精一杯やらせてください。


 このような会話の積み重ねが、部下のビジョンを引き出すことにつながると思うのです。それがあればMBOの目標設定における面談も大変スムーズに進むものと思います。部下には今自分が立っているところをステージとして最高のパフォーマンス演じてもらうようにするためにもビジョンとミッションが大変重要なのです。

───────────────────────────────
 このブログ、お気に入っていただけましたら、お友達や上司・同僚・部下の方にも教えてあげて下さい。多くの方に読んでいただけると、筆者の励みにもなります。
───────────────────────────────
写真は以下のサイトより引用させていただきました。
「2000ピクセル以上のフリー写真素材集」

[PR]
by atanabe-coach | 2008-03-01 10:04
f0142717_0264687.jpg
 現在の上司はプレイングマネージャーが多いと思います。短期的業績目標達成を求められる状況の中で、部下の育成という観点での行動が抜けていたりまたそれ自体に気がついていない上司も方もおられるように見えます。部下を育て、頼もしい人材にするために、上司に求められる行動要件をまとめてみました。連載でお送りします。

─────────────────
 
第35回:上司の不満

 前回に続いて、週間ダイヤモンド2007/4/21号の特集「上司の不満、部下のホンネ」から、本日は上司(部下を持つ役職者)への調査結果をご紹介します。


 まず、役職者の職場での悩みを2つまで聞くと、
 1位:仕事量の多さ 39.8%
 2位:仕事の難しさ 29.1%
 3位:自分の業績・評価 28.2%
 4位:上司との関係 21.8%
 5位:部下との関係 16.3%
  ・
  ・

と、部下との関係で悩んでいる上司は思ったより少ないようです。つぎに不満に感じる部下がいるか聞いたところ、有りが63.1%にもなっています。不満はあっても、悩むまでは行っていないというより、もっと悩むことが他にあるということなのでしょう。現在の上司は部下に対していろいろ悩むことも出来ないくらい大変なんだ、とあらためて感じます。

 次に部下に対してどういう不満があるか聞いたところ
 1位:仕事に対する姿勢 48.1%
 2位:ビジネス能力全般 17.4%
 3位:コミュニケーション力 11.0%
 4位:人間性 9.7%
 5位:上司に対する姿勢 7.7%
  ・
  ・

となっており、問題社員の存在をうかがわせます。

 部下に対する不満にどう対応したかを聞くと
 1位:日常会話の中でその部下に直接話す 62.9%
 2位:指導時間を設けてその部下に直接話す 26.5%
 3位:何もしない 7.7%
  ・
  ・

となっています。さすがに直接言うが9割程度います。その一方で何もしない人は7.7%もいます。上司の役割にはもとる行為といえましょうが、あるいはもう見放してしまっているのかもしれません。

 対応するとした人にその結果を聞くと
 1位:改善あるいは改善努力をした 54.9%
 2位:表面的には従うが改善しようという態度が見られない 34.9%
 3位:無視あるいは反抗的な態度を示した 5.3%
  ・
  ・

となっています。無視、反抗的、改善がみられないとした割合が4割程度もあります。なぜそうなったのかその理由を聞くと
 1位:性格などその部下に問題がある 47.5%
 2位:上司である自分に指導力不足などの問題がある 22.4%
 3位:今日の若者に共通する問題である 17.3%
  ・
  ・

自分の指導力不足を感じている方が2割もいる一方、部下本人あるいは今日の若者の問題とする回答が65%もあります。 「管理職の心得10か条」の大切さが分かっておれば、もう少し自責の回答が多くなるのではないかと思います。

───────────────────────────────
 このブログ、お気に入っていただけましたら、お友達や上司・同僚・部下の方にも教えてあげて下さい。多くの方に読んでいただけると、筆者の励みにもなります。
───────────────────────────────
写真は以下のサイトより引用させていただきました。
「2000ピクセル以上のフリー写真素材集」

[PR]
by atanabe-coach | 2008-02-13 00:38
f0142717_11354048.jpg
 現在の上司はプレイングマネージャーが多いと思います。短期的業績目標達成を求められる状況の中で、部下の育成という観点での行動が抜けていたりまたそれ自体に気がついていない上司も方もおられるように見えます。部下を育て、頼もしい人材にするために、上司に求められる行動要件をまとめてみました。連載でお送りします。

─────────────────
 
第34回:部下のホンネ

 前回と同じく週間ダイヤモンド2007/4/21号の記事からご紹介します。特集で「上司の不満、部下のホンネ」という記事がありました。2007年3月15~22日に上場企業に勤めるビジネスマン2300人にインターネットで調査した結果からの考察です。上司への調査と部下への調査があるのですが、本日は部下(一般社員)への調査結果をご紹介します。上司のあなたにきっと参考になると思います。

 まず、一般社員の職場での悩みを2つまで聞くと、
 1位:自分の業績・評価 35.8%
 2位:仕事量の多さ 30.9%
 3位:上司との関係 26.1%
 3位:仕事の難しさ 26.1%
 5位:同僚との関係 15.1%
  ・
  ・

です。上司との関係は結構悩みになっています。別途、直属の上司に対して不満があるかを聞いたところ、有りが54.7%にもなっています。

 次に上司に対してどういう不満があるか聞いたところ
 1位:指導力 25.1%
 2位:人間性 17.1%
 3位:決断力・判断力 12.6%
 4位:コミュニケーション力 11.1%
 5位:人事評価力 9.2%
  ・
  ・

となっており、上司の不満にどう対応したかを聞くと
 1位:なにもしない 44.8%
 2位:その上司に直接話す 36.7%
 3位:その上司の上司に話す 9.4%
  ・
  ・

となっています。なにもしない人が半分近くいます

 何もしない人に、その理由を聞くと
 1位:伝えても結果が期待できないから
     (逆恨みなどの悪影響が予測される) 48.5%
 2位:仕方がないとあきらめているから 41.7%
 3位:気が弱くてその勇気はないから 4.1%
  ・
  ・

最初から改善することをあきらめているようです

 対応するとした人にその結果を聞くと
 1位:何も起こらず改善しなかった 47.2%
 2位:上司からの回答や話し合いなどがあり、改善した 29.1%
 3位:上司から反論などがあり改善しなかった 16.4%
 4位:自体は悪化した 3.5%
  ・
  ・

2位の改善したをのぞいて70%近くは、なにも変わらないか事態が悪化しています。勇気を出して行動を起こしても、報われる確率は少ないことがわかります。

 上司が部下に対して威厳を持つことは大切だと思いますが、その一方では部下の言葉にも耳を貸し、改めるべきはあらためるという心の広さが求められると思います。そうあればこそ部下も上司を信頼し、職場の雰囲気もよくなるのではないでしょうか。

 上司が備えているべき資質も聞いていてその結果は
 1位:決断力・判断力 28.%
 2位:指導力 25.9%
 3位:人間性 18.6%
 4位:コミュニケーション力 12.2%
 5位:仕事に対する姿勢 5.4%
  ・
  ・

となっています。1位は仕事そのものについての資質でしょうが、2位、3位、4位は部下との接し方に現れるものです。前回の「管理職の心得10か条」の大切さが分かります。

───────────────────────────────
 このブログ、お気に入っていただけましたら、お友達や上司・同僚・部下の方にも教えてあげて下さい。多くの方に読んでいただけると、筆者の励みにもなります。
───────────────────────────────
写真は以下のサイトより引用させていただきました。
「2000ピクセル以上のフリー写真素材集」

[PR]
by atanabe-coach | 2008-02-11 11:49
f0142717_092253.jpg

 現在の上司はプレイングマネージャーが多いと思います。短期的業績目標達成を求められる状況の中で、部下の育成という観点での行動が抜けていたりまたそれ自体に気がついていない上司も方もおられるように見えます。部下を育て、頼もしい人材にするために、上司に求められる行動要件をまとめてみました。連載でお送りします。

───────────────────────────────

第33回:上司の心得とは

 前回はアクティブリスニングのポイントを見てみましたが、このような態度は小手先で付くものではありません。やはり自分が上司(管理職)としてどういう考え方をしていくのかが基本にあります。部下に信頼され、部下がこの上司ならと思ってくれるようになるには、上司自身が人間力を高めていくことが大切です。

 ちょっと古い記事ですが、週間ダイヤモンド2007/4/21号に、管理職の心得10か条というのが載っていましたので、ご紹介します。


 管理職の心得10か条

 1.誰もが認める得意分野を持つ
 2.人間としての基本的なことを守る
 3.双方向の多様なコミュニケーションを取る
 4.未知の分野にチャレンジし続ける
 5.変化をいとわず、柔軟な対応を心がける
 6.肩書きに頼らず、裸の自分を出す
 7.弱点は隠さず、カバーしてもらう度量を持つ
 8.部下を育てようと思わず、育つものと心得る
 9.部下の成功、出世の手助けをする
10.仕事を部下に任せる。責任は自らが取る


 つまり、自分の得意分野をつくりさらに強化するように自分を磨きつつも、自然体で自分の弱みを率直に出して、部下にカバーを頼む度量を持ち、部下の存在自体を尊重して、部下の幸福を祈り、成功をサポートしていくという態度が望まれるのです。

 筆者は最近、モチベーション、やる気、元気というようなテーマで講演活動をやっている人の講演をいくつか聞いていますが、共通するのは単なる成功譚ではなく、苦労や自分の弱点も含めて、自己開示をしている講演内容に対して、聴衆は共感を覚えて、その人のサポーターになるように感じています。上司も同じだと思います。あまり肩肘はらずに自分をさらけ出して部下の共感を得る、それを見て部下も自己開示をしてそこに意識共有関係ができ、一緒によい仕事ができていくという気がしています。

 自己開示なんて、弱みを見せるなんてできない、部下に示しが付かないと恐れる必要はありません。そこは自分の得意分野や人間力が勝負となるのです。それなくして自己開示もなく、指示命令で来る上司に対して、部下は口先で従っても、内心は心が離れ、ひょっとすると見下げられているかも知れません。

───────────────────────────────
 このブログ、お気に入っていただけましたら、お友達や上司・同僚・部下の方にも教えてあげて下さい。多くの方に読んでいただけると、筆者の励みにもなります。
───────────────────────────────
写真は以下のサイトより引用させていただきました。
「2000ピクセル以上のフリー写真素材集」

[PR]
by atanabe-coach | 2008-02-08 00:14
f0142717_052283.jpg

 現在の上司はプレイングマネージャーが多いと思います。短期的業績目標達成を求められる状況の中で、部下の育成という観点での行動が抜けていたりまたそれ自体に気がついていない上司も方もおられるように見えます。部下を育て、頼もしい人材にするために、上司に求められる行動要件をまとめてみました。連載でお送りします。

───────────────────────────────

第32回:アクティブリスニング

 いままで部下との聴く話すということについて、いくつかの点を見てきました。その基本はアクティブリスニング(積極的傾聴)にあります。今日はアクティブリスニングにおけるポイントをおさらいしてみます。参考にしたのは、ディスカバー・トゥエンティワンから出ている、伊藤守氏著の「コーチングマネジメント」という本にあるものです。これにはアクティブリスニングの重要ポイントとして以下のような点が記載されています。

 1.時間をとる
 2.相手を尊重する
 3.話しやすい環境を作る
 4.さえぎらずに最後まで聞く
 5.判断しない
 6.自分が理解しているか時々確認する
 7.客観的になる
 8.肯定的なノンバーバルメッセージを出す
 9.沈黙を大切にする



 これらの点は、このブログでもたびたび書いてきたことです。もう少し筆者の言葉で大きくまとめて書いてみますと次のようになります。

 1.部下との会話にもそれなりの時間を確保すること、それほど重要なものである
 2.部下の存在自体を認め、尊重すること
 3.話はきちんと集中して聞くこと、その間は余計なことを考えないこと、聞いているよということを態度で示すこと
 4.言葉だけでなく、ノンバーバルなものにも注意して真意をつかむように努力すること、沈黙も意味のあるものと考えること



 そして次のようなことは、部下を話しづらくさせますので、意識して取らないようにしましょう。

 1.攻撃的な態度
 2.自分が優位に立とうとする態度
 3.心を通わせない雰囲気
 4.偉そうな態度
 5.神経質な振る舞い

これらは、自分が反対の立場になったと考えてみれば納得いきますよね。
 

 以上、アクティブリスニングのポイントをまとめてみました。あたらしいスキルを身につける学習のサイクルは次のように言われています。 
 1.できないことを知らない
 2.できないことを知る
 3.意識的にできるようになる
 4.無意識的にできるようになる

言うは易し、行うは難しですが、なにか一つずつでも意識して実践していきましょう。

───────────────────────────────
 このブログ、お気に入っていただけましたら、お友達や上司・同僚・部下の方にも教えてあげて下さい。多くの方に読んでいただけると、筆者の励みにもなります。
───────────────────────────────
写真は以下のサイトより引用させていただきました。
「2000ピクセル以上のフリー写真素材集」

[PR]
by atanabe-coach | 2008-02-06 01:02
f0142717_012647.jpg

 現在の上司はプレイングマネージャーが多いと思います。短期的業績目標達成を求められる状況の中で、部下の育成という観点での行動が抜けていたりまたそれ自体に気がついていない上司も方もおられるように見えます。部下を育て、頼もしい人材にするために、上司に求められる行動要件をまとめてみました。連載でお送りします。

───────────────────────────────

第31回:さあ才能(じぶん)に目覚めよう

 前回は部下の強みを見つけ、それを生かしていく方法を考えること、またそれを伝えることの重要性を述べました。本日は才能を見つけて活用することについて書かれた本をご紹介します。

 それは「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう  あなたの5つの強みを見出し、活かす」という本です。「欠点さえ強みになる」と帯に書いてあります。著者はアメリカで創設された世界的調査会社であるギャラップ社の経営トップの方々です。

 この本は、ギャラップ社の圧倒的な調査力・調査データを元にして書かれています。過去63カ国、101の企業で働く1700万人以上の従業員に質問した結果では、20%の従業員しか自分の強みを毎日発揮できいないそうです。また最新の、36の企業で働く19.8万人の従業員に対する調査で、従業員の強みを活かしている企業の方が生産性や顧客満足が高かったということです。そして、企業においては、従業員が強みを活かして働けるようにすることが望ましいとしています。(それなのに多くの企業は欠点克服のプログラムの方を重視しているといっています。)

 さて、この本によると過去30年の間に、200万人の人に「強み」についてインタビューを行った結果、人の強みは34の資質に分類できると言っています。これを抜き出してみましょう。ここに強調しておくことは、強みとは、その人が比較的よくとる思考や行動のパターンであって、優劣はないということです。

アレンジ・運命思考・回復志向・学習欲・活発性・共感性・競争性・規律性・減点思考・公平性・個別化・コミュニケーション・最上志向・自我・自己確信・社交性・収集心・指令性・慎重さ・信念・親密性・成長促進・責任感・戦略性・達成欲・着想・調和性・適応性・内省・分析思考・包含・ポジティブ・未来志向・目標志向

 これらの中には相反するものもありますが、人は相反はしないいくつかの強みをもっているとしています。また、これらの資質の説明や、そのような資質を持った人を活かす方法が一つ一つ記載されています。読んでみるとなるほどな、と思うことがたくさんかかれています。

 おもしろいのは、この本を購入すると、「ストレンングスファインダー」という(えらい安直な名前の)webサイトにアクセスして、本のあるところに書かれたIDを入力して180の質問に答えると、自分の強みを当てはまるもの上位5つを教えてくれることです。筆者の場合は上位から、未来志向・目標志向・達成欲・自我・責任感とでました。説明を読んでみますと、よく当たっているように思えました。

 ところで、人の資質がこれら34のどれに当たるのかを正確に判定することは難しいと思いますが、資質の特性を読んで、目星をつけることは出来そうです。そうすればその人の資質を活かす方法も得ることができますので部下育成のヒントにもなり得ます。ご一読をお勧めします。

 「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう  あなたの5つの強みを見出し、活かす」
マーカス・バッキンガム&ドナルド・O・クリフトン著 日本経済新聞社

───────────────────────────────
 このブログ、お気に入っていただけましたら、お友達や上司・同僚・部下の方にも教えてあげて下さい。多くの方に読んでいただけると、筆者の励みにもなります。
───────────────────────────────
写真は以下のサイトより引用させていただきました。
「2000ピクセル以上のフリー写真素材集」

[PR]
by atanabe-coach | 2008-01-30 00:24
←menu