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 7月22日のブログでご紹介した、平野秀典さんの新刊「感動の億万長者 30のルール」の中に、読んでから1ヶ月半以上たった今も脳裏から離れない、目からウロコの記述がありました。これはやはり皆様にご紹介しないわけにはいきません。今日はそのことについて書いてみます。

 それは「感動長者は声に出さないセリフを持っている」という節です。映画や演劇では、実際に話すセリフの前に、声に出さずに心の中でセリフを話すという手法があり、これを「サブテキスト」と呼ぶのだそうです。(著者の平野さんは、以前は演劇をやっていた方ですので、このような知見があるのです。) その例が出ています。

A ただ単に 「海だ」 というセリフを読む場合
B 前にサブテキストをつけてみて (碧く輝く)「海だ」 と読む場合


上のAとBを実際にやってみましょう。
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  ・
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私もやってみて、AとBでは声のトーンが違いました。Bの場合は「海だ」というセリフに実感が120%こもったような気がします。皆さん、やってみていかがですか。碧く輝く海に感動した気持ちが出ると思いませんか。


 この例に続いて、接客においてサブテキストを使う例が出ています。

A 「いらっしゃいませ」
B1 (今日はようこそ) 「いらっしゃいませ」
B2 (わざわざ当店へ) 「いらっしゃいませ」


どうでしょう、やはり声のトーンが違いませんか。B1の場合は、お客様を元気にお迎えする気持ち、B2の場合は、お客様に感謝する気持ちが出るように感じます。

そして「ありがとうござます」や「かしこまりました」についてもサブテキストをつけてみようと続きます。では私もこれらについて考えて見ましょう。

A 「ありがとうございます」
B1 (今日はどうも) 「ありがとうございます」
B2 (お買いいただいて) 「ありがとうございます」


A 「かしこまりました」
B1 (ご要望) 「かしこまりました」
B2 (・・・・) 「かしこまりました」
 皆さんはB2には何を入れますか?


 コミュニケーションの分野の話では、言葉だけではなく、「声のトーン」や「しぐさ」に聞き耳を立てよということがいわれます。このように「声のトーン」は意思伝達に大きな役割を果たすのですが、実際に声に出す言葉の前に「サブテキスト」をつけるだけで「声のトーン」がガラッと変わることは、大いに驚きでした。たいへん勉強になりました。

(平野さん、こんなにいいことを教えていただいて)「ありがとうございました」

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<写真の説明>イソギンチャクに隠れるクマノミの幼魚、体長2cm。(9月7日山口県日本海側の相島にて)  筆者の接写レンズのないプアーなカメラでも、画素数を大きくして撮影し、拡大するとこんなにかわいく撮れました。たまたまピントとシャッターチャンスがピッタシ合ったのがラッキーでした。ダイビングショップの「かりゆし」さんでもHPに採用です。
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by atanabe-coach | 2008-09-15 16:13
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 本日は書評を掲載します。その本は

熱湯経営「大組織病」に勝つ  樋口武雄著
文春新書 定価700円+税

 大和ハウス会長の樋口武雄氏の半生の自叙伝である。冒頭から読み出してすぐに、著者の仕事にかける人並みならないパワーに圧倒される。戦後に大和ハウスを一代で興した石橋信夫オーナーから、大和ハウスのお荷物であった累積赤字、売上げの2倍の有利子負債を抱えた関連会社の建て直しを命じられる場面から始まる。そして最初には知らされなかった連帯保証をめぐる騒動でさらなるピンチにさらされる、それをオーナーに訴えてもそれはお前の仕事だと一蹴される、その後体をはって関連会社の建て直しに成功する・・・。

 大和ハウスに30代で入社した著者は、石橋オーナーから見込まれて、様々な困難なテストを受けさせられそれをクリアしていったのである。ほんとうに血反吐を吐きながら仕事にかけたという半生である。オーナーは早くから著者に目をつけ、いつかこいつを社長にしようと思っていたのであろう。著者はそのテストに合格し、本社の社長として呼び戻され、さらに大和ハウスを発展させる。そしてバブルの付けの高額の特損処理を機に、社長を降りて会長となる。このような超牽引型のリーダーによって今日の大和ハウスがあるのである。本文中に何度かでてくるのであるが、会社の経営を熱湯経営(実力主義、働くものに光を当てる経営というような意味で使われている)にしたら、社風が変わり、業績もあがったというのである。このあたりはぜひ本書をよんでその迫力に触れてほしい。

 著者を育てた石橋オーナーは、さらに大物に描かれている。著者が人生の師と仰ぐ人であり、背中で著者に帝王学を授けた人である。最後は病床から筆者にあれこれと会社の経営方針に指図をしており、著者はこれに必死で答えて行っている。超々大物の師にして超大物の著者があるのである。二人が仕事にかける意気込みにはすさまじいものがある。

 個々人の人権が尊重され、多様な生き方が認められる現在では、このようなモーレツな人たちはもう絶滅の危機に瀕する希少動物(失礼)であるように思う。反面、経営の本質はたぎるような情熱が根底にないと成り立たないのだという思いも強くした。やわな私にはとてもマネできるような生き方ではないけれど、元気がもらえる本である。願わくは著者が残した大和ハウス経営のDNAがどのように受け継がれていくのか、何年かたった後に続編が読みたいものである。


この書評はamazonにも投稿しました。
いつもは文体をや文章を少し変えていますが、本日は時間の関係から、amazonと同文を掲載しました。そのためいつもと文体が違っています。



<写真はウミウシの1種。冠のように見えるのはエラです。美しいです。 @ナブコ インドネシア>
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by atanabe-coach | 2007-11-26 01:21
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 本日は書評をアップします。取り上げる本は
「部下は育てるな! 取り替えろ  勝つ組織を作るために」長野慶太 光文社 定価952円+税
です。「焚書」というコピーもついています。衝撃的なタイトルを見て思わず手にとってしまいました。洋書のペーパーバックスタイルの本で価格設定が低くなっています。

 本のタイトルから、どんなことが書かれているのか興味をもって読みました。前書きでは、プロの世界では部下は自分で育つもの、ついて来れないような部下は取り替えてしまえばよい、といった論調であり、管理職は部下が自分で自分の殻を打ち破って行く様を見守ればよい、というようなことが書かれています。
しかし読み進んでいくと、
 ・叱るけれども怒鳴らない
 ・褒めよ
 ・相手が受け入れやすいように1クッションおいて話せ
 ・部下が相談できる場をつくれ
 ・社員の動機付けには深く関与せよ

など、部下が自分で育つ環境作りが語られています。結局、部下は育てるのではなく、部下が育つようにせよと言っているのです。

 筆者(私)なりに表現すると、ティーチングで育てるのではなく、コーチングスキルを使い、部下が気づきを得、やる気を出せるようなアプローチをせよといっているよう読めました。

 記載されている個別の内容で印象に残っているところは、
部下への注意と警告のしかたのところは、注意は回りの人に聞かせてもよいが、警告は1対1で諭す。度合いが強い時は文書にして、2度目はないぞというニュアンスを出す、という部分は大変しびれました。ただし、できるだけ褒める項目を添えるとか、褒めるところのない従業員はいないと考えよとか、怒鳴ってはいけない、怒鳴るのは管理者の気分がスカッとするだけの効果しかない、などの文章がこの後に続いており、類書が述べていることとあまり変わりませんでした。

 また
褒めることを奨励しているが、褒めすぎる弊害もあり、そのために云々というくだりに対しては、筆者(私)は褒めることよりも、まず相手が言うことを承認すること(一旦そうだねと受け止めること)で普段の対応では十分だと思いました。褒めるのは本当にそれに値することだけに限定する方が効果的でしょう。

 さらに、
相手のタイプにあわせて叱ることなどはしないという内容に対しては、やはり相手の性格、能力などを勘案して叱り方をある程度は変えた方が効果的であると思います。難しいことではあると思いますが、管理職としてはそれはトライしてもらいたいと思います。

 あと
質問によってコミットメントを引き出すというあたりは、コーチングの考え方そのものといえます。


 なお、電子メールの弊害と活用方法、会議の活性化の工夫などがおまけで出てきます。


 結局この本は、内容的には管理職が自分の意識と行動を変えて、部下も自分も育っていくという類書と内容的にはあまり変わらないように思います。しかしながら、過激な表現を多用しながら、小気味良く部下への接し方をポンポンと投げてくるところがいいです。このリズム感は読者を厭きさせないでしょう。また部下に厳しくするには、それに値するだけの上司になれという根底に流れる考えが、読者の心を引き締めるものと思います。管理職になって、いろいろこの手の本は読んだけど、いまいち行動に結びついていないという方には、あらためて気づきを与えてくれる本であるといえるでしょう。

amazonにも書評を投稿しました



<本日から、インドネシア、カリマンタン島の東にあるナブコ島でのダイビングの写真を掲載します。本日は、大変珍しいシーンです。
海底近くで、友人のダイバーがこの写真の左手前から右奥方向へ進んでおり、そこにマンタ(オニイトマキエイ)が右から来て、あやうく衝突しそうになったヒヤリ現場です。後ろの方で筆者は、このままじゃぶつかると思いながら、しっかりとカメラを構えてシャッターチャンスを狙っていたのでした。お互いに気がついて、寸でのところでかわすことができました。こんなところで交通事故を起こされなくて助かりました。>

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by atanabe-coach | 2007-11-19 00:24
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 本日の書評は小石雄一さんの最新刊「上級の時間術」(明日香出版社 10月25日発行 本体1300円)についてです。実は小石さんの主催する勉強会の9月中旬に開催された出版セミナー(10月10日の弊ブログ参照)の中で、小石さんご自身が、現在この本を執筆中ということを言われていましたので、書店で眼にしたと同時に手に取っていました。

 さて、この本のタイトルからは、タイムマネジメントに関する内容を想像してしまいますが、目次を見ただけでそうでないことがわかります。万人に等しく与えられた1日24時間1年365日の中で、自分が価値を置くものごとをいかに多く成し遂げるか、いかに充実した時間をおくるか、つまり自分の時間生産性をいかに最大化するかということが、この本を貫くテーマとなっているのです。そのために作り出し、自分がやりたいことをやる時間を「上質の時間」といっています。したがって、自分はゆっくり生きていくんだ、というのがポリシーの人には、この本は合わないと考えられます。もっともそんな人はこの本は買わないと思いますが。

 この本の中で語られる、上質の時間を作り出す事例やノウハウは、すべて小石さんの実体験から出たものです。冒頭の小石さん主催の勉強会の講師である、出版塾の畑田洋行氏によると、ビジネス書が売れる要因の一つは「書く内容が自分の経験と実績に裏打ちされた内容であること」だそうですが、この条件には十分当てはまります。著者でしか語れないものが、過去の失敗例も含めて満載されています。

 小石雄一さんは「週末の達人」で有名です。本業の経産省勤務のほかに、多く分野に関する社外勉強会を主催され、講演、出版活動をこなしながら、私生活では料理や陶芸を楽しんでおられます。そのようなスーパーマンのような活動がどうして実現できているのかが、この本を読むと分かります。時間を作り出す種々の工夫をしながら、その一方で肉体のギリギリの限界まで、インプットとアウトプットを行っているのです。過去には体を壊してしまったこともあるので、現在はそこはうまく調整されているとのことです。

 普通の人なら時間があって、やりたいことがあっても、これほどまで何かをやり続けることは精神的にはかなり難しいと思います。それを克服できているカギは、おそらく一つの分野に限らず、硬軟とりまぜた分野・テーマに興味を持ち、追求していることではないかと推察します。

 凡人にできないのなら、この本から学ぶことは何か、何を学べばよいか、筆者(私)は次のように考えます。つまりこの本に書かれた事例は、そのまま私たちが実行できるものは少ない、それよりも、著者の生きていく姿勢に共感し、この態度を学びたいと思います。具体的には

1.どんな環境にあっても、自分の興味・関心のあるものを持ち、それを極める姿勢。

2.自分のやりたいこと、目標達成したいことには、最大限の努力を払う。そしてそのための時間は工夫して作り出す。

3.その一方で健康や精神や家庭を十分維持できる目配りが大切。適度にリフレッシュも取り入れる。


 さまざまな分野に興味を持ち、限定された時間から、最高の集中度で最大の成果を得る、そして緩急のコントロールをつける、この姿勢を学びたいと思うのです。

amazonにも書評を投稿しました


<写真は、サンゴの群礁。@パプア インドネシア>
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by atanabe-coach | 2007-10-31 00:29
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