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 現在の上司はプレイングマネージャーが多いと思います。短期的業績目標達成を求められる状況の中で、部下の育成という観点での行動が抜けていたりまたそれ自体に気がついていない上司も方もおられるように見えます。部下を育て、頼もしい人材にするために、上司に求められる行動要件をまとめてみました。連載でお送りします。

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第39回:部下にもビジョンとミッションを
 
 前回まで、企業だけでなく組織(部門や部署、職場)についても、ビジョンを制定する必要性と、その場合にビジョンとミッションの両方を制定した方がよいということを述べました。(ここでいうビジョンとミッションについては、以前のブログをご参照ください。) 実はこれ組織を構成するメンバーにも同様にいえることであると考えています。

 最近は短期の業績に重点を置きすぎる弊害もいわれているMBO(Mangenent By Objectives 目標管理制度)ですが、本来の意味は、組織目標の達成、個人の能力・意欲の開発および公平感のある処遇の実現を目指すものです。現在では多くの企業がこのMBOを導入しており、その中では組織の目標が個人の目標を設定する前提条件となります。そしてこのときにどうしても組織の目標が短期志向になりがちであるのを防ぎ、また目標の位置づけを明確にできるのが、企業や組織のビジョンでありミッションであると考えます。

 したがって、MBOにおいて、組織の目標と個人の目標をすりあわせる上司と部下の面談では、上司からの企業や組織のビジョン、ミッションについての背景説明が大変重要となるわけです。また部下の側から見ても、一方的に目標を示されるより、納得度の高い目標設定ができることになります。
 
 さて、企業や組織のミッションだけでなく、それに連動した個人のミッションを制定しよう、考えさせようという議論をよく聞きます。(ミッションという言葉もいろいろなニュアンスで使われることがありますが、このときのミッションは使命とか役割の意味で使われています。) 部下個人のミッションが、部下個人の動機付けにつながり、また自立性を高めるということがその理由です。そしてこれがMBOの成功の要件になるものと思います。

 ところが、上からのミッション(使命)の連鎖ということで、やはり押し付けに受け取る部下もいるかもしれません。またその部下が望む方向とは違っていることもあるかもしれません。したがっていくら口では「わかりました」といっても、100%納得していないかもしれないのです。

 そこで筆者は、その目標やミッションを持つ仕事について、その部下個人に対する意味づけが非常に大切であると考えます。つまり、その仕事を通じて、自分が何を得ることができるのか、その目標を達成した場合に自分がどういう状態になるのか、そしてそれによって自分がどう成長するのか、自分の将来にどうつながっていくのかということを真剣に考える、そしてそれがあってこそ、目標、ミッションを部下個人のハラに落とすことができると思うのです。そして、これこそが個人のビジョンということになるのではないでしょうか。

 このような理由から、部下個人にもビジョンとミッションを制定してもらうことが企業・組織、個人の目標達成の上で望ましいと考えている次第です。

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写真は以下のサイトより引用させていただきました。
「2000ピクセル以上のフリー写真素材集」

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by atanabe-coach | 2008-02-27 00:28

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 現在の上司はプレイングマネージャーが多いと思います。短期的業績目標達成を求められる状況の中で、部下の育成という観点での行動が抜けていたりまたそれ自体に気がついていない上司も方もおられるように見えます。部下を育て、頼もしい人材にするために、上司に求められる行動要件をまとめてみました。連載でお送りします。

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第38回:ビジョンとミッションの補足

 昨日は私の住む千葉にも春一番が吹きました。すごい風と砂埃(黄砂?)、パラパラっと雨も降ったので車はどろどろ。でもふと見るともう梅の花が咲いていました。春はもうそこまでやってきています。


 前回はビジョンの考慮すべき要素をあげ、またビジョンとミッションの区別(これは筆者独特の考え方かもしれませんが)を説明しました。ビジョンとミッションの区別が分かりにくいと思われるので、もう少し分かりやすい例でご説明しておきます。

 まず筆者による両者の違いです。

ビジョンとは「ありたいチームの姿やチームそのものが存在する価値」をいう。
ミッションとは「使命とか役割、チームが社会・会社に提供する価値」をいう。


 では、ここでマーケットセグメントを異にする3つのレストランを取り上げて例を示します。

例1:地域の小さなレストラン
  ビジョン  地域のお客様にダントツ支持され愛される店(をめざす)
        従業員がお客様への感動の提供に燃える店
  ミッション 料理を通じて地域のお客様に健康と幸福をお届けする。
        お客様に心からくつろいでいただける空間を提供する。
   
   
例2:大手ファミレスチェーン
  ビジョン  多くのご家庭が気軽にご利用できる、いつもにぎやかさの絶えないアットホームなお店 
  ミッション 料理を通じて多くのご家庭に団欒をご提供し、家族の絆つくりのお役に立ちます。
        

例3:高級レストラン
  ビジョン  最高の味、洗練されたサービスで日本最高の支持を受け、口コミで熱烈なファンが広がる店
  ミッション 世界最高の味とサービス、珠玉のワインコレクションを通じて、至福の満足と感動をお届けします。


 なんとなくビジョンとミッションの違い、お分かりいただけたでしょうか。


 事業は究極は自己実現のためにやるのだろうから、自分がなりたいビジョンが上位で、その達成手段として社会に自分が与える価値をいうミッションが下位になるというのが筆者の考え方なのです。無理にこのようにビジョンとミッションに分けなくても、自分たちの事業のめざすところは書き表せるのかもしれませんが、ビジョンで自己実現の面からの表現が出来る一方、ミッションでお客様の視点を強調できるというメリットがあると思っています。この観点がないと現在では事業は成り立ちません。

 上記の例は一つの企業体の話ですが、それは一企業の中の一部署であっても同じだと思います。その組織が どういう姿を目指すのか(ビジョン)、そしてそのために周囲に対してどのような価値を提供するのか、つまり役割を果たすのか(ミッション)を考えるとスッキリすると思っています。  

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by atanabe-coach | 2008-02-24 00:26
 このブログは、平日に投稿をアップとしていますが、本日は特別に投稿します。また最近は「上司がんばれ」シリーズの連載となっていますが、本日は特別号です。
 実は知人からとてもすばらしい物をいただいたので、読者の皆様にもシェアさせていただきたいのです。筆者からのクリスマスプレゼントと思ってお読みください。

 さて、それはなにかというと、コーチングの仲間からいただいた、ある人の講演の録音を聞いた感想です。録音そのものをお届けできないのが大変悔しく感じますが、仕方ありません。以下ちょっと長くなりますが、ご容赦ください。

   ***以下感想です***

 その方は、顧客満足で繁盛しているレストランのオーナー中村文昭氏です。氏のことは、今回初めて知りました。Amazonを見てみると2003年から本も出版されており、ちょっとしたブームにもなっていたようで、自分の勉強不足を感じました。まあビジネスのいい話を聞けるかなという程度の期待をもって聞き出しました。所要時間を見てみるとなんと2時間、こりゃ長いわ、と思いながら、始めの15分くらいは中村氏の生まれ故郷の話が出てきて、少しは面白いかなと聞いておりました。ところが開始後20分あたりから「目からうろこ」とはこのことと思われるような話の連続で、気がつけば2時間の講演が終了。感動と涙の2時間でした。あまりの衝撃に、すこし時間をあけてもう一度聞いてしまいました。筆者もセミナーとか自己啓発ものとかが好きですが、いままででもっとも印象に残った講演であったと思っています。


ちょっと粗筋を紹介します。

 自分探しで三重県の山林ばかりの故郷を飛び出して東京に出てきた若き中村氏は、自分のやりたい仕事がわからず土木作業員とドーナツ作りのアルバイトをしながら、もんもんとした日々を送っていた。ある日焼き鳥屋で、後の人生の師となる田端俊久氏と出会い、人生の目的、働く目的を問い詰められ、自分がなにも考えていないことを痛感する。「他人との比較で生きる人生はさびしい」と諭され、即座に田端氏に弟子入り、田端氏率いる野菜行商軍団に加わり、仕事と勉強と修行の集団生活が始まった。
 5人の弟子たちは、田端軍団の4大ルール「0.2秒での即座の返事・・・自分の都合をつべこべ考えない」「頼まれ事は試され事・・・頼んだ人の予想を上回れ」「出来ない理由を言わない・・・物事が出来ないのは、出来ない理由をしゃべるから」「『そのうちやる』といわない・・・今出来ることを探して体を動かす」のもとで、日々田端氏の薫陶を受けていった。そして、お客様の期待以上の満足を追及する行商の姿勢は、団地のおばちゃんたちの支持を受け、ファンを増やし、味方を作っていった。
 こうして行商が順調に伸びていき、軍団は六本木にバーを出すことになり、中村氏が一人でそのバーを任されることになった。全く経験のない中村氏はある有名ホテルのラウンジに4ヶ月のバイト修行にでる。最初は退屈な皿洗いであったが、田端氏のアドバイスにより、皿洗いの働き方を変えて「日本一の皿洗い、稲妻の皿洗い」をめざし、そこの料理長や職場の人々をファンにしてしまう。これも相手の予測を上回ろうという行動の成果であった。この後バーはそのラウンジの人々のバックアップで無事開店し、業績も向上した。
 そして「おまえはもう成長した」と田端氏に認められた中村氏は、3年半ぶりに故郷の三重県に帰って独自でビジネスを始め繁盛している。


 この講演の間にずっと出てくるのが師匠田端氏の人生哲学です。
・人生に夢と目的を持て、それが日々の行動を産み、その積み重ねが人間力を鍛える。そして人間力に優れた人間に、他の人々は惹かれる。情熱をもって一生懸命にやる人を、他の人々は応援してくれる。
・夢が探せていない人間は人を喜ばせて生きていけ。そして人の予測を上回る働きをせよ、そうすると自分にしかできない役割が回ってくる。結果として、なくてはならない存在になれる。
・出来ないと考えるな、出来ないというのは自分が決めている、今出来ることを考えよ、体を動かせ、体を動かさないと目前の景色は変わらない。開き直るとたいていのことは出来てしまう。
・つらいことは1月もすれば慣れる、それはあとでネタになる。あきらめなかったら失敗は全てネタ、失敗が多い分だけ話がドラマチックになる、「失敗先発隊」、喜んで失敗させてもらう。
・人の予測を上回る結果を出せば、自分を覚えてもらえる、その人の記憶に長くとどまる。その人が外でしゃべってくれる。
・商売は人と人とのつながりだ、人の後ろにもまた人がいる。お客様の支持を得れば、あの店から買いたい、あの人に会いたいと思ってくれる。
 
 これらの考え方を、田端氏から体の芯まで刷り込まれたことが、中村氏の成功の減点になっています。 筆者は、講演を聞きながら必死でメモをとっていました。ビジネスにも人生にも、しっかりと深く心に響きます。それにしてもこの田端という人は偉いです。若き中村氏に焼き鳥屋で、衝撃の質問を問い詰めたのは、田端氏が若干26歳の時だったそうです。現在は熊本県で賢人塾という精神修養施設の開設の準備をやっておられるそうです。

 そしてこの中村氏は今、伊勢市で手作り結婚式ができるレストランをやっています。そこの従業員は当然田端氏からうけついだ中村哲学を実践しており、広告宣伝費はゼロ、それでもお客様が口コミでやってきます。(この講演録を聞かせた筆者の娘も、ここで結婚式をしたいと言い出しました。)また全国各地で人のご縁を大切にする生き方などを講演して回っておられるます。ぜひ一度本物をライブでお聞きしたい、言葉を交わしたいと思いました。

 このような生き方が出来たらいいな、いやオレも今からでもできるかぎりはやってやそろう、とそういう、心に元気をもたらせてくれる話でした。氏の著作「お金でなく、人のご縁ででっかく生きろ」「お金でなく、人のご縁ででっかく生きろ(2)」をセットでアマゾンに即注文したのは言うまでもありません。読み終わったら感想をアップさせていただきます。
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by atanabe-coach | 2007-12-24 02:11
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 企業コンサルティングでは、経営上や販売・製造現場での問題や課題が当然でてきます。現在の悪さを調べ、その原因を追究し、改善していくというプロセスが「問題解決」、将来のありたい姿を考え、それを現状とのギャップを明らかにし、ありたい姿に近づくプロセスが「課題解決」といったりもします。どちらも現在の姿を把握しなければなりませんが、現在の姿とは自社の業績や事業環境なども当然入ります。そのようなときに、業績が悪いのは景気が悪いからだ、お客様の志向が変わってきたからだ、ことしは暖冬だからだなど、事業環境の悪さに原因をもとめたりする経営者がいたり、親企業が発注品目と納期を突然変更してそれに対応できなかったからだ、社内他部門からの情報が伝わっていなかったなど、顧客や社内の他部門に原因を求める風土の企業があったりすることがあります。

 このようなときコンサルタントは自責で考えましょうと言います。これは外部に原因を求めても、なにも対策できない、それよりも自分たちの不足するところを捉え、それに対して何ができるかを考えることが重要だからです。

 トヨタ(2006年度はグループで23兆円を売上げ、1兆6000億円の純利益をあげたそうです、なんと桁外れでしょうか・・・あっ、本日テーマには無関係でした)では問題点の原因を追究するのに「なぜ」を5回問うというのは有名な話です。「それはなぜか」、「更にそれはなぜか」、・・・と聞いていきますので、3回も問えば行き詰まってしまい、その後を答えるのが難しくなってきます。以前私はこの方法を試してみようと思ったものの、5回も答えることができずに、最後は言葉遊びになってしまったという体験があります。この体験から、「なぜ5回」の意味は、次の2つの意味で理解し、5回という回数そのものにはこだわらなくてよいように思うようにしました。
①追求が浅いと表面的な対策にとどまってしまうし、他に同根の他の問題まで広がらないので、もっと奥深い理由まで考えよ。
②他責にせずに、自責で捉えて考えよ。すなわち外部ではなくて、自社・自部門の施策や行動に問題はなかったのかと問え。
 
 コンサルティングの世界では、自責で考えようというのは、結構決まり文句になっていると思います。それが視点を変え、あらたな方向を示すヒントを与えてくれることにもつながるからです。相手が悪い、環境が悪いと嘆いても何も変わらないのですから、自分を変えるしかないのです。 とはいうものの人間は、今やっていることを振返って自責で考えようとはなかなかしないものです。自責で考えることのできる社風を作ることが、その企業が成功する要素の一つであると思います。
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by atanabe-coach | 2007-06-25 00:24
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