人気ブログランキング | 話題のタグを見る

人材育成としてのコーチング1  上司が部下に行うコーチング

人材育成としてのコーチング1  上司が部下に行うコーチング_f0142717_0535096.jpg

 企業内でのコーチングの活用とは、上司が部下に対してコーチングするというイメージがあります。この場合、上司がコーチングの専門家であるケースではないことが一般的なので、コーチングのスキルを学習・訓練して、それを部下とのコミュニケーションに応用するという形が多いと思われます。目的は、部下の仕事に対する考え方、向き合い方や姿勢を好ましいものにしていくことや、特定の仕事における具体的な進め方について指導するなどがあります。あるいは担当者をチームとして束ねるリーダー的な部下であれば、その束ね方つまりチームの運営についての指導もテーマとなります。

 一般的なコーチングでは、コーチはクライアントに質問し、クライアントの話を傾聴し、承認し、また質問するということで、クライアントの視点や考え方に揺さぶりをかけながら、クライアントが自ら気づきを得ることを支援していきます。この場合、答えはクライアントの中にありそれを引き出す、そして自ら気づき言葉に出したことは、その方向への行動を促すことにつながるということが基本となる考え方です。状況に応じて提案をしたりリクエストをしたりすることがあっても、それはあくまで補助的なものです。

 一方冒頭の上司と部下とのコーチングとは、上司の部下に対する指導の一環です。この場合部下と上司の間には、向かうべき方向、目標が共有されているかそのようになるはずですし、普通は仕事における知識、能力などは上司が勝っています。したがって上司が解を持っており、部下はそれを模索しているというケースなのです。(もちろんこれとは異なる状況もあります。あくまで一般的なケースとしてです。) このような場合は、本来はコーチングではなくティーチングが機能します。極端なケースでは、入社したばかりの新人にはコーチングが機能しないというのは想像に難くないでしょう。それなのになぜコーチングなのでしょうか。

 ティーチングとは、教えてその通りにやらせること、一方コーチングとは相手に考えさせてその方向に行動を起こさせることです。上司から部下への指導というのは、ティーチングとコーチングのミックスであると筆者は考えています。ここで部下の成長の度合いに応じてその処方を変えていくことが重要なのです。コーチングの醍醐味は、コーチングを受けた相手が自ら気づいて行動が変容することにあります。ティーチングで発想してもこの行動変容にいかにつなげることができるかがカギなのです。

 明日は具体的に考えてみましょう。

<写真は、バッファローフィッシュの群れの一部。彼らは体長1m程度あります。@パプア インドネシア>
by atanabe-coach | 2007-11-12 01:01
←menu