上司がんばれ 部下と向きあうコミュニケーションのヒント 第34回:部下のホンネ
現在の上司はプレイングマネージャーが多いと思います。短期的業績目標達成を求められる状況の中で、部下の育成という観点での行動が抜けていたりまたそれ自体に気がついていない上司も方もおられるように見えます。部下を育て、頼もしい人材にするために、上司に求められる行動要件をまとめてみました。連載でお送りします。
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第34回:部下のホンネ
前回と同じく週間ダイヤモンド2007/4/21号の記事からご紹介します。特集で「上司の不満、部下のホンネ」という記事がありました。2007年3月15~22日に上場企業に勤めるビジネスマン2300人にインターネットで調査した結果からの考察です。上司への調査と部下への調査があるのですが、本日は部下(一般社員)への調査結果をご紹介します。上司のあなたにきっと参考になると思います。
まず、一般社員の職場での悩みを2つまで聞くと、
1位:自分の業績・評価 35.8%
2位:仕事量の多さ 30.9%
3位:上司との関係 26.1%
3位:仕事の難しさ 26.1%
5位:同僚との関係 15.1%
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です。上司との関係は結構悩みになっています。別途、直属の上司に対して不満があるかを聞いたところ、有りが54.7%にもなっています。
次に上司に対してどういう不満があるか聞いたところ
1位:指導力 25.1%
2位:人間性 17.1%
3位:決断力・判断力 12.6%
4位:コミュニケーション力 11.1%
5位:人事評価力 9.2%
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となっており、上司の不満にどう対応したかを聞くと
1位:なにもしない 44.8%
2位:その上司に直接話す 36.7%
3位:その上司の上司に話す 9.4%
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となっています。なにもしない人が半分近くいます。
何もしない人に、その理由を聞くと
1位:伝えても結果が期待できないから
(逆恨みなどの悪影響が予測される) 48.5%
2位:仕方がないとあきらめているから 41.7%
3位:気が弱くてその勇気はないから 4.1%
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と最初から改善することをあきらめているようです。
対応するとした人にその結果を聞くと
1位:何も起こらず改善しなかった 47.2%
2位:上司からの回答や話し合いなどがあり、改善した 29.1%
3位:上司から反論などがあり改善しなかった 16.4%
4位:自体は悪化した 3.5%
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2位の改善したをのぞいて70%近くは、なにも変わらないか事態が悪化しています。勇気を出して行動を起こしても、報われる確率は少ないことがわかります。
上司が部下に対して威厳を持つことは大切だと思いますが、その一方では部下の言葉にも耳を貸し、改めるべきはあらためるという心の広さが求められると思います。そうあればこそ部下も上司を信頼し、職場の雰囲気もよくなるのではないでしょうか。
上司が備えているべき資質も聞いていてその結果は
1位:決断力・判断力 28.%
2位:指導力 25.9%
3位:人間性 18.6%
4位:コミュニケーション力 12.2%
5位:仕事に対する姿勢 5.4%
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となっています。1位は仕事そのものについての資質でしょうが、2位、3位、4位は部下との接し方に現れるものです。前回の「管理職の心得10か条」の大切さが分かります。
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写真は以下のサイトより引用させていただきました。
「2000ピクセル以上のフリー写真素材集」
by atanabe-coach
| 2008-02-11 11:49